授業メモ:「グループ」が形成される時

「Group Learning」というクラスで学んだこと

「グループ」というものはいつ形成されるのか。「グループらしさ/groupness」を見極める際の4つの観点(2007年のWilson教授の論文からの抜粋を意訳)
  • 1つはグループの行っているタスク(作業)の特徴から(特にどれだけ個人のパフォーマンスが相互に関係し合っているか)
  • 1つはグループのタスクへの取り組みプロセスの特徴から
  • 1つはグループのメンバー構成の特徴から(メンバーの流動性なども考慮)
  • 1つはメンバーの貢献のあり方の特徴から(共有された目的の存在や他者の成長への貢献の視点も)
このような「レンズ」を身につけて今後自分達が遭遇する、色々なグループを考察できるようになることがまず第一の目的らしい。

更にグループがグループとして機能しているかを見る視点として以下の3つを紹介してもらった。(日本語の訳で意味不明にしたくないので原文で)
  1. production meet external goal
  2. to what degree individual feel satisfied
  3. to what degree would we be part of the group again, to support the others' growth
3つの事前課題の読み物(幼児2人の間の粘土遊びに関するもの、パートタイムメンバーによる弦楽グループ4人に関するもの、教育方法の見直しに取り組む二つの異なる学校内の教師陣に関するもの)についてグループディスカッションし、その後自分達のグループのあり方についてもディスカッション。最後は以下の1989年もののBALANCEという動画から「グループ」について考察をする、といったクラス初日の流れ。



学期を通じてこのクラスで投げられ続ける問いはこちら ↓
  • What does it mean for a group to learn? 
  • What are the key dynamics that support/thwart group learning? 
  • How can leaders support group learning? 
「そのときどきによる=it depends」という一言で片付けるのではなく、また、この種の分野に関する理論レベルの「綺麗/無難」なものではなく、実際の色々な現場で起きている生々しいグループのダイナミックスへの理解を意識したアクション・ラーニングを取り入れたクラスとなる。

これまた英語でディスカッションに参加する時に楽ではないクラスの一つ・・しかも事前課題の読み物を消化し、それぞれの関連性や授業の目的(上記の問い)に対する関連性を考えるのがこれまた大変・・

おまけ:教授は''Shared goal''という考え方に懐疑的な人。SharedというとSame(同一)というニュアンスを含むからだという。むしろ彼はSyntheticやCompatible goalの方が気に入っているとのこと。個人一人一人の考え方や多様性を重視する文化を考慮すればなるほどな、とも思ったり。