日本の若者ボストンに来たる!

昨日とても貴重な体験をしたのですが、それを書く前にちょっと前置きを書いておきます。(長くなってしまいました)

リーダーシップ研修系の話でたまに聞く「ジョハリの窓」


実は今学期のApplying Cognitive Science  to Learning and Teachingの授業でも「ジョハリ」という単語は使われませんでしたが、この考え方が紹介されていました。

最近高校生・大学生と話す度にこのフレームワークに似た内容のことを考えることがあります。「自分」=その高校生・大学生だとして・・・「自己」という単語を「外の世界」または「選択肢となる可能性」に、「他人」という単語を「今自分の周りにいる大人(親・先生含む)」に、置き換えてみると・・・以下のような枠組みになるのではないかな、と。



一般的に「若者」が情報収集する手段として選ぶ「OG・OB訪問」や「就職活動セミナー参加」は上記の「解放の窓」の部分の話(高校生だった場合は大学訪問や大学説明会参加)。「商社に就職したい」とか「農学部で勉強したい」とか既に世の中に存在していた選択肢の中から自分が選んだ上での活動。

「証券会社に行きたいので具体的にどういう働き方をしているか教えてください」とかもココ。で、大人①という一人に依存してしまうと実は「秘密の窓」リスクがあるので大人②、大人③、大人④・・・の話を聞いて総合的に情報収集することで偏った情報に基づいて判断を下してしまう
リスクをある程度コントロールするのがベスト。(変化のスピードがここまで早まっている今の時代は人生の先輩のアドバイスがその先輩の知らないところでちょっとズレている可能性だってきっとあるので)(あと以前も書きましたが大人は基本的に自分の経験や価値観にバイアスがかかったアドバイスをする傾向があると思います。自戒を込めて・・)

で、今もっともっと重要になってきているのは「盲点の窓」ネット上でキーワード検索すれば色んな情報に届くようになっている時代。探す意欲とキーワードの感覚さえあれば身近に参考になりそうな大人がいなくてもブログの筆者にメールを書いたり、twitterでつぶやいている人に質問したり、企業や大学のホームページを隅々まで見たり、インタビュー記事を読んだり・・色々なことを通じて私たちはこの窓を開くことができる時代になりました。

でも問題は「(存在すら)知らない」という点。それが分からなかったら情報を検索する第一歩を踏み出すこともできません。

私もそうだったから分かるのですが、中学高校生活はキャンパス内の人生がほぼ全て。別にそれが全然普通で重要なことだと思います。だからいきなり「さあ高校はおしまいです、自分で人生について色々決めましょう」ってなってもなかなか何があるのか分からない。何が選択肢としてあるのかを知らないまま、流れに押されるようにしてポスト義務教育の道を決めなくてはいけない。

私はどの大学に行くのか、よりも、何になぜそういった時間を使うのかが重要な気がします。ギャップイヤーの概念が浸透しつつある昨今。ポスト義務教育にするべき決断は大学をどこにするか以上にじゅうようになっていると思います。

もはやほとんど意味をなさない大学の偏差値ランキング、そういうのを眺めるのではなく、むしろ大学に行くことを考えてる人だったら見るべきは教授の最新の研究リストであったり、キャンパスに存在する課外活動のオプションのリストであったり、大学在籍中に様々なことをした、メンターとなりうるOGOBのリストだと感じます。

そもそもそういうことをみて、考えるべきという視点を持つかどうかも両親や先生や先輩などが何を見せてくれるか、何を教えてくれるか、に大きく左右されていると感じます。自分も高校3年生の時に当時の化学の先生にアメリカ大学進学の選択肢ってありなんだ、ということを教えてもらっていなかったら、そのまま日本の大学に行ってたと思います。

そういった考えを持っているからこそ、この不安と希望とエネルギーと体力と時間あふれる時期の子達には周囲の大人が出来る限り「盲点の窓」の先をどんどんと広げて見せてあげることが重要なのではないかな、と感じます。自分は偉そうに彼女達に言える立場では全然ないのですが、自分が自分の周りにいた「大人」達に自分は本当にたくさんのことを見せてもらって(現在進行中)自分の「盲点の窓」を刺激され続けていたので、出来る限りそれを求めている子達には伝えておきたいな、と感じてます。




・・と非常に長い前置きでしたが、昨日ご縁があって急遽以下のツアーのためにボストンに来ていた15人前後の女子高校生・大学生との交流に参加しました。彼女達にどのくらい有益な情報を提供できたかは分からなかったのですが彼女達の反応や発言から少しだけ「盲点の窓」を開けるお手伝いができたのではないか、と感じました。

Rikejoグローバル・ツアー2013春 in ボストン
~世界を変えるイノベーションに触れる旅~(1週間)
Rikejoは講談社による理系女子応援サービスです

このような取り組みを主催されているハバタクの長井さんはもちろん、企画者の講談社の砥上さん、引率の先生をされていた石原先生、本当に次世代の子達にとってインパクトの大きいお仕事をされているのだなと思いました。急遽数日前に決まった話でしたが今回の機会をいただいたこと、
心より感謝しています。

ちょうど1ヶ月ちょっと前には「HPAIR (Harvard Project for Asian and International Relations」という取り組みでハーバード大学(学部)に日本から大学生(公募制)が団体で来ており、そのうちの4人と会う機会もありました。


こうやってボストンに日本から来ていた「若者」(私もまだ30のヒヨコですが・・)がそれぞれ外の世界での体験を通じて何かを感じ、想い、きっかけを得て日本に戻った後の姿を想像しただけでなんだかワクワクとしてきます。

と同時に自分が彼・彼女達の年齢だったときはもっとボンヤリと過ごしていた気がするので、私も頑張らないとな、と良い刺激も頂いています。10−15歳の歳の差は「世代」という大げさなものじゃないかもしれませんが、90年後半世代と80年前半の私達・・お互い良い刺激を与え合う素敵な関係につながりやすい今の時代は本当素敵だなーと思った1日でした。(そしてFacebookのおかげで
いつでも気軽に相談し合える関係もキープできる、日本に帰った彼女達に紹介したい人も今後気楽に紹介できる・・素敵な時代です)