2019年8月時点の更新記事はこちら▶︎OPT、H1B(初回と更新)、そしてその後はどうなる?
(2013年9月12日付け)
さて、ちょっと「教育」からは小休止で、留学生っぽいエントリーを久々に書きます。表題にある通り、F1ビザのあとのOPTビザの、更にその後の話です。
「F1ビザ→OPTビザ」の説明や「OPTビザ→「H1Bビザをスポンサーしてくれる企業に採用されればよし」といった説明だったらGoogle検索で十分かもしれませんし、学校もとても丁寧に説明してくれます。ただ、私が欲しかったpost OPTビザの情報はなかなか分かりにくい。
まだまだ6月にOPT始まったばっかりだし、来年の5月末まであるじゃん、とのほほんとしていた私に職場のマネージャーが弁護士の方を聞くだけ聞いてみるといいよ、と薦めてくれたので1時間の無料コンサルテーションを受けました。その情報が有益だったので内容を共有します。
で、私は大学の時は4年のプログラム終了後すぐ日本に帰国して就職をしたのでそれで終了。F1ビザも自然と失効しました。一方で、今回(大学院)は、1年プログラム終了後もアメリカに残りたいと思ていたので初めてOPT申請をすることにしました。厳密にいうとOPTそのものはビザではないのですがというよりは「F1ステータスの延長としてのOPT保有」にしておくことで、期限付きでこの国に残って働いてもOKな状態にしておくという感じです。
自分の場合申請するために必要な費用は大学のStudent Serviceに150ドル、そして政府向けにたしか380ドルくらいだった気が。学生にとっては大金です。大体卒業3ヶ月前(つまり春学期開始直後)くらいから各国からの留学生は学校の宿題などのほかの、就職活動、そしてこのOPT申請手続きが全部重なって来るのでソワソワし始めます。大体そのころに卒業以降(フルタイム、インターン問わず)の内定をもらっていない(持っていてもそこに絶対行くかはまだ保留にしている)人が大半なのでこの申請金額を目の前に「本当にお金を払ってまで先行き不透明なOPTに足を踏み入れたいか、自分は」という問いに向き合う事となります。私も正直ちょっと迷いました。でも、それを申請しないとF1終了後アメリカでビザを取るのは結構難しくなります。もちろん卒業後OPT申請しないまま日本に帰ったりしてしまったら、就労ビザを取りに戻って来るのはかなり厳しくなります。
で、大金チェックを送付し、待つ事3ヶ月ちょっと。私の場合は無事にOPT申請が認められ、6月9日からOPTとして働くことが認められるステータスになりました。
OPTについて自分がここで敢えて書く重要なことは以下の5点です。(2013年9月時点での自分個人の理解で、かつ間違っている可能性もあるので重要な意思決定をされる場合は専門家・学校関係者にご確認ください)
OPT期間中に海外に出る予定がある場合は、上記2を証明する3や、学校から発行されていたI20、と共にEAC(Employment Authorization Card)を持ち歩く必要があります。3に何を持っていればいいのだろうと思い、オファーレターを持ち歩いていますが、EACを見せてと言われることはありましたがオファーレターを確認されたことは今のところありません。またたまに「どんな仕事をしているのか」「何を勉強をしたのか」ということを空港Immigrationで聞かれたりします。
F1ビザと同じように整理するとOPTビザの間は①アメリカの出入国は自由、ただしアメリカに戻ってくるときにOPTとして入れるよう必要書類を持つこと、②できれば留学先で学習したことに関連する分野で活動をしておく(特に次につながるH1Bビザ申請の際に重要になってくる)、③90日以上ぼんやりと過ごさないようにするという感じです。
① Marriage based visa
簡単です、アメリカ国籍を持っている人と結婚するパターン。コストも低く、その後の自分のキャリア的な自由度が高いと魅力的。ニューヨーク州では大体半年強かかるらしいので申請する場合は私の場合(仮)年末までに申請が必要とのことです(今は9月上旬)、あとはこれの偽装を見破るために事前に色々と相手との関係や将来の見方についてなどを聞かれるようです(※友人カップルが付き合って間もない時に彼がリストラにあい、ビザがなくなったので気軽に話を聞いてみたらかなり深く二人の関係への双方のコミットメントなどを聞かれて気まずかったと言っていました、ちなみに今は彼はH1Bビザをもらえて、二人はまだ仲良く付き合っています)
② H1B visa
これが一般的によく言われている「会社にビザのスポンサーになってもらう」パターンです。毎年4月1日から「せーの」で受け付けが始まるのでスポンサーしてくれる会社とはその前から一緒に書類作成、申請準備などをして4月1日に政府担当局に資料が届くようにしておかなければいけません。2013年9月現時点で米国は毎年H1Bビザは85,000人に付与すると決めています。そのうち学士号取得者が65,000人、修士学は20,000人。
そして、2年前から実施されていることですが、4月1日から4月7日の間に、その上限を超える応募があった段階で「抽選を実施すること」が決定されます。景気が上向く=移民採用も積極的になる、というトレンドで2013年は過去最高?くらいの急スピードで応募枠の上限が埋まってしまったというドキドキするエピソードも教えていただきました(4月の第一週で上限達成、合計10万人以上の応募あり)
2012年、2013年と共に抽選が行われています。まずは「米国の大学の」「修士号」を持った人が抽選されます。そしてその後「世界の大学の」「学士号」を持った人と、「米国の大学の修士号を持った人で最初の抽選から落ちた人」が合わさったプールで再度抽選が行われます。
いかにスポンサーしてくれる会社に求められている人材であったとしても、いかに仕事内容と勉強してきたこと&経験がマッチしていても、抽選に落ちたら全てパーです。
抽選に落ちた場合(おそらく6月上旬までには判明)は、F1ビザ特有の「60日猶予期間」が発動し、その期間内に荷物をまとめて帰国するか、別のビザ(急遽サマースクールなどに入って学生ビザになるか、または3ヶ月滞在延長できるVビザ申請するか、米国市民と結婚するか)への切り替えが求められます。
2014年4月追記:ふわふわ - VISAに翻弄されながら
2014年4月追記:速報:H1Bビザ抽選の結果
また、抽選に受かったとしてもそのあと書類の審査で米国の移民局の審査官たちに以下を吟味されます。① まず取得した学位は学士号以上かどうか、② スポンサーとなる企業がその人に提供した仕事は取得した学位の、分野と関連性があるかどうか、③ そしてその仕事内容にはこの個人が取得した学位レベル(学士、修士)が必要なものなのかどうか
それとは別に移民局が管理している職業カテゴリーでどれが近いを理解しておかなくてはいけないということ(例えば私だと「intruction technologist」というなんだか古めかしい堅い名称が一番近いと、今日の弁護士さん)またその職業カテゴリーで移民局が把握している給料レンジ内に実際の給料がおさまっているか、など。
このプロセスで「No」となった時は抽選に落ちた時にあったF1ビザ内の60日猶予期間といったものも与えられず、急いで国外退去しなくてはいけません。自分の人生計画上早めに結果を知りたい、という人は移民局に$1225の「特急対応コスト」を払うことで少し早めに作業をしてもらえるようです。
会社(米国内に何らかの法人を置いていれば誰でもいい)側の作業としては申請書類の準備と手数料があるようだけれども前者のほうが面倒な印象。その会社の規模や業績なども求められたら提出しなくてはいけないともあります。金銭的なコストよりも会社側には「作業」という形での負担が大きいということでH1Bをスポンサーしてくれるところとしてくれないところがあるのだと理解しています。それらをまとめて弁護士会社に頼んでいるところも多く、その費用が80-100万と聞いたこともあります。
【ここでの注意点】4月の申請からH1Bビザが通常おりてくる10月までの間は「cap gap provision」といってF1からH1Bへのシフトを待機中の人だけに与えられる特別な状態になります(数年前に導入された仕組み)。その後(4月1日以降)は米国を出ることは一切禁止となり、出たとたんに「H1B待機中」を手放したことになり、戻るときは観光ビザに格下げです。。。
2015年2月追記:H1B申請To Do(昨年の自分の体験より)
③ Work in Academia
もし教育機関で働きたいということだったら4月に限らず年中sponsored visaの申請ができ、かつ人数の上限も存在しないということです。ただ法律的にはそうでもハーバードやコロンビアのように留学生に対して「我々は在学中はパートタイムOKでも卒業後にフルタイムの仕事with visa sponsorは提供できない」というポリシーを掲げているところもあります。政府系シンクタンクとかでも該当するみたいなのでこの道は何かの専門であった場合模索する価値はありそうです。
④ O1 visa
特殊な能力を持っていることが証明できた人に与えられるビザ。とにかくタイトルがすごいです(関連ページ)"Individuals with Extraordinary Ability or Achievement"。上記4つの中で一番ステータスが高いらしい。HPに提示されている9つの条件のうち3つを満たしていることを証明することが申請に必要である、とのこと。聞いているとアーティストなどに多いらしい?とはいえ、これも就職先がなければならずそういう意味ではH1Bビザやグリーンカードがおりる前のつなぎで持てるものという理解
(おまけ:E1やE2ビザ)
これはかなり特殊なのだけれども海外にベースがある企業が米国内でその人に働いてもらうためにその人にビザを付与して働かせるというためのビザ。米国内で働く人の国籍と海外の本社の社長の国籍が一致していることが必要で。もし認可されると自動的に5年間の就労ビザがおりるらしくこのビザに関する案件を手がけることは相対的に少ないらしいのだけれども、今日の弁護士さん曰く「If it works, it is just beautiful」というものらしいです。ただ外の会社が現地の米国領事館と手続きをしたり、米国内での事業展開の展望や実績、資本出資元の情報を提出しないといけないなど作業はまた特殊な印象。
と、今回のインプットは以上です。日本に日本人としているとほとんど意識しないことですが、自分が希望する場所に希望する時期にいて、そこで仕事をするということ。そういう自分の「Want to」を満たすためには色々と情報収集しておく必要があると感じました。それにしても弁護士さんの心強いこと。やはりGoogleじゃ足下にも及ばなかった、今回の情報。
ほとんどタダのものなんて皆無のこの国、アメリカで、知り合いの知り合いというだけで無料で1時間も相談にのってもらえたのは本当に有り難いことです。
(追記:2014年3月10日)ちなみに、ビザの種類を変更するということは過去の色々な状況をしっかり確認されるということになります。税金もそうですが、きちんとF/OPTビザステータスを守っていたかもチェックされます。そのプロセスに関してとても重要なのが入国審査の時にたまに起こる人的ミスの存在。
今回弁護士からはこれからは毎回空港で米国への入国審査を受けた際、こちらの電子版I-94サイトにログインし(Baggage Claimに辿り着く前に)自分がしっかりと「学生ビザ」で入国できているかを確認するように、と強く勧められました。万が一間違っていた場合はただちにそこで修正依頼をしないと、後日修正のプロセスは面倒くさいのだとか。
私は前回米国に来た時に「ちゃんと」入国審査員がFビザ(OPT)の人間として登録してくれていたみたいなので「You are lucky」と言われました。そんな落とし穴があるとは・・・・・さすがアメリカです。
(追記:2015年2月15日)ちなみに、アメリカ政府ではなく自分のおっちょこちょいで冷や汗を書くことも有ります。
H1Bビザ取得後に初めて米国外に出る時は
2019年8月時点の更新記事はこちら▶︎OPT、H1B(初回と更新)、そしてその後はどうなる?
(2013年9月12日付け)
さて、ちょっと「教育」からは小休止で、留学生っぽいエントリーを久々に書きます。表題にある通り、F1ビザのあとのOPTビザの、更にその後の話です。
「F1ビザ→OPTビザ」の説明や「OPTビザ→「H1Bビザをスポンサーしてくれる企業に採用されればよし」といった説明だったらGoogle検索で十分かもしれませんし、学校もとても丁寧に説明してくれます。ただ、私が欲しかったpost OPTビザの情報はなかなか分かりにくい。
まだまだ6月にOPT始まったばっかりだし、来年の5月末まであるじゃん、とのほほんとしていた私に職場のマネージャーが弁護士の方を聞くだけ聞いてみるといいよ、と薦めてくれたので1時間の無料コンサルテーションを受けました。その情報が有益だったので内容を共有します。
(おさらい)日本からアメリカに学生で来るときは:F1
大体の人はF1ビザというビザをもらいます。ほかにも色々とビザはあると思いますが、私はそれ以外のビザで来た事がないのでその前提で話をします。F1ビザは大学/大学院のプログラム中ずっと有効で、その間は① アメリカの出入国は自由、② 自分の通っている学校のon campusのアルバイトならOK(入国してからすぐ出来るかどうかは人によって違うみたいですが)という状況に置かれます。で、私は大学の時は4年のプログラム終了後すぐ日本に帰国して就職をしたのでそれで終了。F1ビザも自然と失効しました。一方で、今回(大学院)は、1年プログラム終了後もアメリカに残りたいと思ていたので初めてOPT申請をすることにしました。厳密にいうとOPTそのものはビザではないのですがというよりは「F1ステータスの延長としてのOPT保有」にしておくことで、期限付きでこの国に残って働いてもOKな状態にしておくという感じです。
留学先のプログラムを無事卒業したら:OPTという道
このOPTはOptional Practical Trainingの略で、この取得方法や申請に必要なことはほぼ全ての教育機関のStudent Serviceが教えてくれますし、Googleにもわんさか情報があります。自分の場合申請するために必要な費用は大学のStudent Serviceに150ドル、そして政府向けにたしか380ドルくらいだった気が。学生にとっては大金です。大体卒業3ヶ月前(つまり春学期開始直後)くらいから各国からの留学生は学校の宿題などのほかの、就職活動、そしてこのOPT申請手続きが全部重なって来るのでソワソワし始めます。大体そのころに卒業以降(フルタイム、インターン問わず)の内定をもらっていない(持っていてもそこに絶対行くかはまだ保留にしている)人が大半なのでこの申請金額を目の前に「本当にお金を払ってまで先行き不透明なOPTに足を踏み入れたいか、自分は」という問いに向き合う事となります。私も正直ちょっと迷いました。でも、それを申請しないとF1終了後アメリカでビザを取るのは結構難しくなります。もちろん卒業後OPT申請しないまま日本に帰ったりしてしまったら、就労ビザを取りに戻って来るのはかなり厳しくなります。
で、大金チェックを送付し、待つ事3ヶ月ちょっと。私の場合は無事にOPT申請が認められ、6月9日からOPTとして働くことが認められるステータスになりました。
OPTについて自分がここで敢えて書く重要なことは以下の5点です。(2013年9月時点での自分個人の理解で、かつ間違っている可能性もあるので重要な意思決定をされる場合は専門家・学校関係者にご確認ください)
- 通常12ヶ月もらえるこのOPTという仕組み、一つの学位に対して12ヶ月なので二つの同等の学位を別のタイミングに取得したとしても一回目にOPTを使ってしまっていたら二回目の後はOPTは使えない(※たしか学士号で1年。修士号で1年。つまり2000年に修士卒業した後一度OPTを申請して使っていた人は、2015年に別の修士を取得したあとはOPT申請できない)
- OPT中は毎週最低20時間は以下のどれかに関与していることが必要。これは無償でも可能
- 履修した分野に関連するインターンシップ、ボランティア、アルバイト、フルタイム
- どこでどのような働き方をしていても自由だがその都度「ここで●日から●日この人は働いていました」という証拠をもらい(契約書など)保管しておくことSelf employmentの場合は請負書などを管理しておくこと
- なぜなら12ヶ月の間「何もしてませんでした(=上記2をしていませんでした)」という時期は90日を超えてはいけないというルールがあるからで。アメリカ国外に行っていた時期も「何もしてませんでした」にカウントされるかも、という情報もあるので、ここらへん要注意です。リモートで米国で受注した仕事をしていたとしてもカウントされるかどうかは確認したほうがいいと思います。
- ちなみにSTEM(Science, Technology, Engineering, Math)関連の専門分野の卒業生は1年ではなく17ヶ月にする延長申請ができる
OPT期間中に海外に出る予定がある場合は、上記2を証明する3や、学校から発行されていたI20、と共にEAC(Employment Authorization Card)を持ち歩く必要があります。3に何を持っていればいいのだろうと思い、オファーレターを持ち歩いていますが、EACを見せてと言われることはありましたがオファーレターを確認されたことは今のところありません。またたまに「どんな仕事をしているのか」「何を勉強をしたのか」ということを空港Immigrationで聞かれたりします。
F1ビザと同じように整理するとOPTビザの間は①アメリカの出入国は自由、ただしアメリカに戻ってくるときにOPTとして入れるよう必要書類を持つこと、②できれば留学先で学習したことに関連する分野で活動をしておく(特に次につながるH1Bビザ申請の際に重要になってくる)、③90日以上ぼんやりと過ごさないようにするという感じです。
OPT終了後のオプション:Green Card, H1B, Academia, O1
で、今日アドバイスいただいた方には追加でOPT終了後の4つのオプションを教えていただきました。① Marriage based visa
簡単です、アメリカ国籍を持っている人と結婚するパターン。コストも低く、その後の自分のキャリア的な自由度が高いと魅力的。ニューヨーク州では大体半年強かかるらしいので申請する場合は私の場合(仮)年末までに申請が必要とのことです(今は9月上旬)、あとはこれの偽装を見破るために事前に色々と相手との関係や将来の見方についてなどを聞かれるようです(※友人カップルが付き合って間もない時に彼がリストラにあい、ビザがなくなったので気軽に話を聞いてみたらかなり深く二人の関係への双方のコミットメントなどを聞かれて気まずかったと言っていました、ちなみに今は彼はH1Bビザをもらえて、二人はまだ仲良く付き合っています)
② H1B visa
これが一般的によく言われている「会社にビザのスポンサーになってもらう」パターンです。毎年4月1日から「せーの」で受け付けが始まるのでスポンサーしてくれる会社とはその前から一緒に書類作成、申請準備などをして4月1日に政府担当局に資料が届くようにしておかなければいけません。2013年9月現時点で米国は毎年H1Bビザは85,000人に付与すると決めています。そのうち学士号取得者が65,000人、修士学は20,000人。
そして、2年前から実施されていることですが、4月1日から4月7日の間に、その上限を超える応募があった段階で「抽選を実施すること」が決定されます。景気が上向く=移民採用も積極的になる、というトレンドで2013年は過去最高?くらいの急スピードで応募枠の上限が埋まってしまったというドキドキするエピソードも教えていただきました(4月の第一週で上限達成、合計10万人以上の応募あり)
2012年、2013年と共に抽選が行われています。まずは「米国の大学の」「修士号」を持った人が抽選されます。そしてその後「世界の大学の」「学士号」を持った人と、「米国の大学の修士号を持った人で最初の抽選から落ちた人」が合わさったプールで再度抽選が行われます。
いかにスポンサーしてくれる会社に求められている人材であったとしても、いかに仕事内容と勉強してきたこと&経験がマッチしていても、抽選に落ちたら全てパーです。
抽選に落ちた場合(おそらく6月上旬までには判明)は、F1ビザ特有の「60日猶予期間」が発動し、その期間内に荷物をまとめて帰国するか、別のビザ(急遽サマースクールなどに入って学生ビザになるか、または3ヶ月滞在延長できるVビザ申請するか、米国市民と結婚するか)への切り替えが求められます。
2014年4月追記:ふわふわ - VISAに翻弄されながら
2014年4月追記:速報:H1Bビザ抽選の結果
また、抽選に受かったとしてもそのあと書類の審査で米国の移民局の審査官たちに以下を吟味されます。① まず取得した学位は学士号以上かどうか、② スポンサーとなる企業がその人に提供した仕事は取得した学位の、分野と関連性があるかどうか、③ そしてその仕事内容にはこの個人が取得した学位レベル(学士、修士)が必要なものなのかどうか
それとは別に移民局が管理している職業カテゴリーでどれが近いを理解しておかなくてはいけないということ(例えば私だと「intruction technologist」というなんだか古めかしい堅い名称が一番近いと、今日の弁護士さん)またその職業カテゴリーで移民局が把握している給料レンジ内に実際の給料がおさまっているか、など。
このプロセスで「No」となった時は抽選に落ちた時にあったF1ビザ内の60日猶予期間といったものも与えられず、急いで国外退去しなくてはいけません。自分の人生計画上早めに結果を知りたい、という人は移民局に$1225の「特急対応コスト」を払うことで少し早めに作業をしてもらえるようです。
会社(米国内に何らかの法人を置いていれば誰でもいい)側の作業としては申請書類の準備と手数料があるようだけれども前者のほうが面倒な印象。その会社の規模や業績なども求められたら提出しなくてはいけないともあります。金銭的なコストよりも会社側には「作業」という形での負担が大きいということでH1Bをスポンサーしてくれるところとしてくれないところがあるのだと理解しています。それらをまとめて弁護士会社に頼んでいるところも多く、その費用が80-100万と聞いたこともあります。
【ここでの注意点】4月の申請からH1Bビザが通常おりてくる10月までの間は「cap gap provision」といってF1からH1Bへのシフトを待機中の人だけに与えられる特別な状態になります(数年前に導入された仕組み)。その後(4月1日以降)は米国を出ることは一切禁止となり、出たとたんに「H1B待機中」を手放したことになり、戻るときは観光ビザに格下げです。。。
2015年2月追記:H1B申請To Do(昨年の自分の体験より)
2017年10月追記ちなみに2017年4月のトランプ大統領就任後のH1Bのプロセスはその前の年よりもかなり時間がかかっていた人が多いらしく、私の友人は抽選で通ったにも関わらずその後の書類審査があまりにも細かいツッコミ・追加質問が当局から送られ、結局アメリカでの勤務は諦めて、カナダに一旦里帰りをした後、私たちの会社のロンドンオフィスでの勤務(彼女はカナダ人なのでイギリスでのビザがおりやすい)に切り替えるという事態になりました。
③ Work in Academia
もし教育機関で働きたいということだったら4月に限らず年中sponsored visaの申請ができ、かつ人数の上限も存在しないということです。ただ法律的にはそうでもハーバードやコロンビアのように留学生に対して「我々は在学中はパートタイムOKでも卒業後にフルタイムの仕事with visa sponsorは提供できない」というポリシーを掲げているところもあります。政府系シンクタンクとかでも該当するみたいなのでこの道は何かの専門であった場合模索する価値はありそうです。
④ O1 visa
特殊な能力を持っていることが証明できた人に与えられるビザ。とにかくタイトルがすごいです(関連ページ)"Individuals with Extraordinary Ability or Achievement"。上記4つの中で一番ステータスが高いらしい。HPに提示されている9つの条件のうち3つを満たしていることを証明することが申請に必要である、とのこと。聞いているとアーティストなどに多いらしい?とはいえ、これも就職先がなければならずそういう意味ではH1Bビザやグリーンカードがおりる前のつなぎで持てるものという理解
(おまけ:E1やE2ビザ)
これはかなり特殊なのだけれども海外にベースがある企業が米国内でその人に働いてもらうためにその人にビザを付与して働かせるというためのビザ。米国内で働く人の国籍と海外の本社の社長の国籍が一致していることが必要で。もし認可されると自動的に5年間の就労ビザがおりるらしくこのビザに関する案件を手がけることは相対的に少ないらしいのだけれども、今日の弁護士さん曰く「If it works, it is just beautiful」というものらしいです。ただ外の会社が現地の米国領事館と手続きをしたり、米国内での事業展開の展望や実績、資本出資元の情報を提出しないといけないなど作業はまた特殊な印象。
と、今回のインプットは以上です。日本に日本人としているとほとんど意識しないことですが、自分が希望する場所に希望する時期にいて、そこで仕事をするということ。そういう自分の「Want to」を満たすためには色々と情報収集しておく必要があると感じました。それにしても弁護士さんの心強いこと。やはりGoogleじゃ足下にも及ばなかった、今回の情報。
ほとんどタダのものなんて皆無のこの国、アメリカで、知り合いの知り合いというだけで無料で1時間も相談にのってもらえたのは本当に有り難いことです。
将来のためにステータスをきちんと守り続ける事
(追記:2014年3月10日)ちなみに、ビザの種類を変更するということは過去の色々な状況をしっかり確認されるということになります。税金もそうですが、きちんとF/OPTビザステータスを守っていたかもチェックされます。そのプロセスに関してとても重要なのが入国審査の時にたまに起こる人的ミスの存在。今回弁護士からはこれからは毎回空港で米国への入国審査を受けた際、こちらの電子版I-94サイトにログインし(Baggage Claimに辿り着く前に)自分がしっかりと「学生ビザ」で入国できているかを確認するように、と強く勧められました。万が一間違っていた場合はただちにそこで修正依頼をしないと、後日修正のプロセスは面倒くさいのだとか。
私は前回米国に来た時に「ちゃんと」入国審査員がFビザ(OPT)の人間として登録してくれていたみたいなので「You are lucky」と言われました。そんな落とし穴があるとは・・・・・さすがアメリカです。
(追記:2015年2月15日)ちなみに、アメリカ政府ではなく自分のおっちょこちょいで冷や汗を書くことも有ります。
H1Bビザ取得後に初めて米国外に出る時は
2019年8月時点の更新記事はこちら▶︎OPT、H1B(初回と更新)、そしてその後はどうなる?