ハーバード大の経済学教授のSendhil Mullainathan氏。最近存在を知った刺激的な人。若いな、とは感じていたけれど、自分とたった10歳しか違わないということを先ほど発見。WEFのYoung Global Leaderでもあり、2010年のForeign Policy誌の「Top 100 Thinker」に選ばれ、2012年にはWired Magazineに「Smart List: 50 people who will change the world」とされた人。
行動経済学者である彼はideas42というNPO(ミッションは「行動経済学を活用しながらソーシャルグッドを実践し、より大きなインパクトを生み出す」)の共同創設者であり、国際開発の現場においてRCTを広める活動をしているJ-PAL(MIT属)の共同創設者でもあり、MacArthur Foundationのボードメンバーであったりもする。
それに参加費を払って参加した自分。もともと、仕事のために「Alumni(卒業生)」戦略や「継続性のあるコミュニティのデザイン」を調べようと思っての参加。なので彼がゲストスピーカー2人のうちの一人だということは当日会場に行くまで知らなかった。
参加の一ヶ月前くらいから彼の偉業のかけらに触れる機会が何度かあったのだけれども、インド人の名前を覚えるのが苦手な私は、それらとSendhil氏という人物を頭の中でつなげることができていなくて。当日彼の話を聞きながら、プログラムに記載されていた彼のプロフィールを読んで、ようやく点と点がつながった、という状況。
(☆)イベント前にあった「点」:一つはアキュメンのロンドンチャプターのメンバーが書いていたブログ「Scarcity and the bandwidth tax」そして、もう一つは自分が担当していた「Social Impact」に関するコースに関連して調べものをしていたMITのPoverty Action Lab(J-PALと呼ぶ)
タイミングが重なる時って重なるもの、ご縁って不思議。
このエントリ-を書く前に、Googleで検索したものの、この人についての記事は日本語では見つからなかった。彼の昨年の共著書「Scarcity〜」がいつか英治出版によって邦訳されることを願いつつ・・。
まずは彼のプロフィールを見る限りNYTで定期的にコラムを書いているみたいなので引き続きウォッチしていこうと思います。
行動経済学者のSendhil氏がカバーしている領域や研究対象もとても幅広い。備忘メモは以下の通り。
①15日の話は彼の本「Scarcity」に近い内容、ロンドンチャプターのブログと似た内容。印象的だったポイント:
②上記のTED Talkで印象的だったポイント:
「ソーシャルイノベーション」に関わる人、必見。EdTechの人にも関係すると個人的には思ったり。行動経済学者らしい彼のメッセージ。
③NYTの記事のポイント:
Scarcityを明日から少しづつ読んで行こう思います。
行動経済学者である彼はideas42というNPO(ミッションは「行動経済学を活用しながらソーシャルグッドを実践し、より大きなインパクトを生み出す」)の共同創設者であり、国際開発の現場においてRCTを広める活動をしているJ-PAL(MIT属)の共同創設者でもあり、MacArthur Foundationのボードメンバーであったりもする。
出会ったきっかけ
彼の話を直接聞く機会があったのは5月15日。場所はハーバード卒業生向けに開催されていたイベントにて。「卒業生」といっても、大半が80年代や90年代に卒業されている方々で、現学長のFaust教授がわざわざマンハッタンまでやってきたこのイベントの主旨はおそらく寄付金集め。参加者が寄付を同校にしたくなるような雰囲気をつくり出すための様々なコンテンツやおもてなしがちりばめられた夜だった。それに参加費を払って参加した自分。もともと、仕事のために「Alumni(卒業生)」戦略や「継続性のあるコミュニティのデザイン」を調べようと思っての参加。なので彼がゲストスピーカー2人のうちの一人だということは当日会場に行くまで知らなかった。
参加の一ヶ月前くらいから彼の偉業のかけらに触れる機会が何度かあったのだけれども、インド人の名前を覚えるのが苦手な私は、それらとSendhil氏という人物を頭の中でつなげることができていなくて。当日彼の話を聞きながら、プログラムに記載されていた彼のプロフィールを読んで、ようやく点と点がつながった、という状況。
(☆)イベント前にあった「点」:一つはアキュメンのロンドンチャプターのメンバーが書いていたブログ「Scarcity and the bandwidth tax」そして、もう一つは自分が担当していた「Social Impact」に関するコースに関連して調べものをしていたMITのPoverty Action Lab(J-PALと呼ぶ)
タイミングが重なる時って重なるもの、ご縁って不思議。
興味が湧いたらざっと調べる
彼の話が刺激的だったのと、セッション後に簡単に挨拶をした時の彼が素敵だったのがあり、すっかりファンになった私。帰宅して彼の2010年のTED Talk「Solving social problems with a nudge」を聞き、次の日同じく彼のファンである同僚に共有してもらったNYTの記事を読み、彼の著書「Scarcity: Why Having Too Little Means So Much」(2013年9月)のKindle版を購入。このエントリ-を書く前に、Googleで検索したものの、この人についての記事は日本語では見つからなかった。彼の昨年の共著書「Scarcity〜」がいつか英治出版によって邦訳されることを願いつつ・・。
まずは彼のプロフィールを見る限りNYTで定期的にコラムを書いているみたいなので引き続きウォッチしていこうと思います。
どういうことを調べている人なのか
行動経済学って本当に面白いと思う。いつか(遠いいつか)次にもう一度勉強をするとしたら、Anthropology(人類学)か社会学か行動経済学かな、と思う今日このごろ。行動経済学者のSendhil氏がカバーしている領域や研究対象もとても幅広い。備忘メモは以下の通り。
①15日の話は彼の本「Scarcity」に近い内容、ロンドンチャプターのブログと似た内容。印象的だったポイント:
- time managementとbandwidth (認知的なリソース、集中力であったり何かについて思いをめぐらせることのできるゆとりと理解)managementは違うものである
- 後者は前者に比べてコントロールすることが難しい
- 何かが自分に欠けている、足りないと感じた時、私達はそれについてばかり考えるようになる=mental(頭の中での)shortage(ゆとりの欠如)を経験する
- 貧困を体験している人のmental shortage、その人が自由にできるbandwidthの少なさは中長期的にIQなど様々な影響を及ぼす
- New York Times誌の「The mental strain of making do with less」(2013/9/22)も同様
「ソーシャルイノベーション」に関わる人、必見。EdTechの人にも関係すると個人的には思ったり。行動経済学者らしい彼のメッセージ。
- 「The last mile problem」:テクノロジーや科学(Science)のお陰で様々なイノベーションが起きている、それでもHuman problemがまだ残っている
- Pursuasion challenge(相手を説得する必要がある場合)は情報/データを届ければいいというものではない
- 心理学、マーケティング、アート、Scientific methodをフル活用しながら「The last mile problem」に取り組む必要がある
③NYTの記事のポイント:
- 「A top heavy focus on income inequality」(2014/3/9)
- 米国における所得格差の問題についての意見「We must be passionate about our objectives, but dispassionate about the means. And taxing the rich is merely a means, not an objective」富の再配分はあくまでも手段であり目的ではないと。トップ1%について色々考える前にボトム20%の人の日々の生活の複雑さを意識するべきだと。
- また、「Hard Heads, Soft Hearts」が求められている政策担当者がやっていることが「the focus on inequality has made us less pragmatic and more dogmatic.」になってしまっているのではないか、という懸念を表明
- 「A possible path to closing the pay gap」(2014/5/11)
- 男性と女性の所得格差についての話 「Maybe we shouldn’t be asking when women will catch up. Maybe they’ve already caught up, and we should instead ask whether society is holding them back.」
Scarcityを明日から少しづつ読んで行こう思います。
今後個人的に要チェックな人。Sendhil氏。名字が覚えるのがやっぱり大変だけれど忘れないようにしよう。
最近は卒業生向けMOOCの立ち上げなどを含め Alumni Strategyに気合いを入れているハーバード |