先月から一緒に住ませていただいているハウスメート(&大家さん)は映画業界の方。ニューヨーク生活が長いその方には、一ヶ月という短い同居期間に既に色々な新しいことを教えていただいている。先日書いたコンサートも、その方にお誘いいただいて知った事。
そのBAMが毎年開催しているBAM CINEMA FESTという映画祭の3日目。お目当ての映画は「Kumiko, The Treasure Hunter」。インディーズ映画の世界では有名と教えていただいたDavid/Nathan Zellner兄弟による映画で、映画上映の後にはZellner兄弟に加え、プロデューサーのChris Ohlson氏とのディスカッションが付いていた。過去の経験では、上映後のこういうインフォーマルな場こそ、映画をより味わい深いものにしてくれる。今回もそうだった。
1996年のFargoという映画に絡めたストーリー展開。今から10年以上前にZellner兄弟がコンセプトを思いつき、菊池さんにアプローチを初めてから4年後に本格的な検討が始まり、そこからまた数年かかって完成したというこの作品。
彼らの手がけて来た作品の中で一番スケールの大きい、製作にかかった時間も長いものだったという。どれだけ長い時間がかかったかを表す時に監督は「初めてこの話をし始めたときRinkoと話すときは通訳がいたけれども、4年後に再会したときは流暢な英語を話してたよ」というエピソードも共有してた。
・日本のOLという一見不思議なクラスターの存在(皆女性だし、制服来ているし、ルールが色々厳しそうだし)
・「日本の会社の偉いおじさん」や「地方から上京した娘の将来を心配するお母さん」というStereotypicalなキャラクター設定
・「普通に」結婚して子どもが居る人、若く綺麗な独身の女の子とneither of themな主人公それぞれの描かれ方
・アメリカの田舎街に住む人達のお世話好きなところ
・アメリカ国外に出た事無い人達が日本人に出会ったときの反応の仕方
真面目なシーン(主人公の心情を描写しているところとか)と笑いを取りに行っているシーンが違和感のない形でいったり来たりしていて、面白い。
ちょうど、最近「早く結婚したほうがいいんじゃないか」「産めないのか」という東京都議会の本会議でのヤジがネット上で大変な話題になっていることをふと思い出させるシーンも。(ちなみにこの件は海外のメディア(ロイター)(The Japan TImes)(Guardian)(Independent)でも出てしまっていますが、質疑応答の時も「Dark side of Japanese corporage culture」と言っている人もいて、あぁ、結構海外の人は日本の女性を取り巻く社会の空気が他の先進国比ちょっと変ということ、知っているのかもな、と思ったりしました)
「Kumiko, the Treasure Hunter」。菊池さんの演技はもちろん、音響(Sundance Film Festivalで、この作品はU.S. Dramatic Special Jury Award for Musical Scoreを受賞)、日本と海外、日本の女性というテーマで面白い作品。
日本にいる人もいつか観れるといいですね。
【過去エントリ-】
教えていただいたマンハッタンのスペシャルコンサート:
街中でふっとクラシック
BAMに初めて行って来た
昨夜は、その方が制作に関わったという映画のNY初公開記念試写会にお誘いいただいた。場所はブルックリンのBAM(Brooklyn Academy of Music)。マンハッタンにあるリンカーンセンターのようなものよ、と教えていただく。そのBAMが毎年開催しているBAM CINEMA FESTという映画祭の3日目。お目当ての映画は「Kumiko, The Treasure Hunter」。インディーズ映画の世界では有名と教えていただいたDavid/Nathan Zellner兄弟による映画で、映画上映の後にはZellner兄弟に加え、プロデューサーのChris Ohlson氏とのディスカッションが付いていた。過去の経験では、上映後のこういうインフォーマルな場こそ、映画をより味わい深いものにしてくれる。今回もそうだった。
Kumikoという映画
その映画。日本人でない人による日本/日本人をテーマにした映画。そういう意味で「Jiro Dreams of Sushi」を連想させる「Kumiko, The Treasure Hunter」。舞台は映画の前半半分が東京。主演は菊池凛子さん。「Babel」(私の周りの人は皆知ってる)とか、「Pacific Rim」(友達と観た)とか「47 Ronin」(まだ観ていない)とか有名な作品達・・・と思っていたら他にも「ノルウェーの森」、「ちゅらさん」、「モテキ」にも出演していたというのを事後に知る、Q&Aの時、監督達に司会者が使っていた形容詞は「国際的なスター」といったものだった。1996年のFargoという映画に絡めたストーリー展開。今から10年以上前にZellner兄弟がコンセプトを思いつき、菊池さんにアプローチを初めてから4年後に本格的な検討が始まり、そこからまた数年かかって完成したというこの作品。
彼らの手がけて来た作品の中で一番スケールの大きい、製作にかかった時間も長いものだったという。どれだけ長い時間がかかったかを表す時に監督は「初めてこの話をし始めたときRinkoと話すときは通訳がいたけれども、4年後に再会したときは流暢な英語を話してたよ」というエピソードも共有してた。
日本とアメリカの両方での「あるある」
日本生まれ、日本育ちの人間として、アメリカでの生活が少し長くなってきている人間として(大学時代を含め、6年目が終わろうとしている)いくつかの「あるある」。・日本のOLという一見不思議なクラスターの存在(皆女性だし、制服来ているし、ルールが色々厳しそうだし)
・「日本の会社の偉いおじさん」や「地方から上京した娘の将来を心配するお母さん」というStereotypicalなキャラクター設定
・「普通に」結婚して子どもが居る人、若く綺麗な独身の女の子とneither of themな主人公それぞれの描かれ方
・アメリカの田舎街に住む人達のお世話好きなところ
・アメリカ国外に出た事無い人達が日本人に出会ったときの反応の仕方
真面目なシーン(主人公の心情を描写しているところとか)と笑いを取りに行っているシーンが違和感のない形でいったり来たりしていて、面白い。
ちょうど、最近「早く結婚したほうがいいんじゃないか」「産めないのか」という東京都議会の本会議でのヤジがネット上で大変な話題になっていることをふと思い出させるシーンも。(ちなみにこの件は海外のメディア(ロイター)(The Japan TImes)(Guardian)(Independent)でも出てしまっていますが、質疑応答の時も「Dark side of Japanese corporage culture」と言っている人もいて、あぁ、結構海外の人は日本の女性を取り巻く社会の空気が他の先進国比ちょっと変ということ、知っているのかもな、と思ったりしました)
「Kumiko, the Treasure Hunter」。菊池さんの演技はもちろん、音響(Sundance Film Festivalで、この作品はU.S. Dramatic Special Jury Award for Musical Scoreを受賞)、日本と海外、日本の女性というテーマで面白い作品。
日本にいる人もいつか観れるといいですね。
【過去エントリ-】
教えていただいたマンハッタンのスペシャルコンサート:
街中でふっとクラシック
ボストンでの映画祭の体験:
Tokyo New Cinemaとの出会い(今年もボストン国際映画祭で入選)
マンハッタンで観た映画(制作側との対話つき):
「The New Public」を観て思った「教育」の成功の基準
Jiro Dreams of Sushiという映画:
寿司職人の映画 in アメリカ(動画有)
映画の効用:
「仕事」と「休息」と
マンハッタンで観た映画(制作側との対話つき):
「The New Public」を観て思った「教育」の成功の基準
Jiro Dreams of Sushiという映画:
寿司職人の映画 in アメリカ(動画有)
映画の効用:
「仕事」と「休息」と