元NY市教育委員会長のJoel Klein氏@Askwith Forum

風邪をひき、週末で完治できず月曜日を迎えることとなった10月の初日。今日はHGSE秋学期初のAskwith Forumの日。

Askwith Forumとは
Series of public lectures highlighting leaders in the field to share new knowledge, generated spirited conversation, and offer insights into the highest priority challenges facing education
ということで教育の現場に実際に関わっているリーダー達の話を聞き、Q&Aの機会を得られるHGSE主催の無料セミナー。

同Forumの詳細説明によると、過去に来たゲストスピーカーにはTeach For AmericaのCEOであるWendy Kopp氏などを含むらしい。

今日のスピーカーはJoel Klein氏。テーマはEducational Innovation for the Future。彼は全米で最も大規模と言われているPublic School Systemであるニューヨーク市の教育委員の総長を務めていたらしい。(2002年から2010年いっぱいまで)そして、2011年の夏以降、世の中を別件で騒がせていたNews Corporationの教育サービス部門の新しい事業amplifyの社長に就任した模様。(同社の7月のリリース内容メディアの記事

K−12(つまり幼稚園〜高校卒業まで)の教育のあり方にDigital Innovationを起こす、といったミッションを掲げるこの会社。AT&Tとの協業体制など、ビジネスの匂いがぷんぷんするものの、この新しい会社「amplify」のプロモ動画やJoelが言っていた内容自体はきっと多くのHGSE学生の共感を得たのではないかと思う。

「アメリカの高等教育には海外から視察団が来るのにK-12のレベルで見向きもされないのは何故か」

「最近のWEFのレポートでのランキングによるとアメリカの学生のレベルはあまりにも低すぎる」

「''Human history is a race between education and catastrophe''というH.G.Wellsのコメントがあるが、アメリカは今そのレースで負けている」

「America's younger generation is less well educated than its parentsという認識も広がっている」

「今のアメリカのPublic Educationにはイノベーションや生産性向上に向けてのインセンティブがほとんどない。我々の特徴であるmarket economyではなくcommunist economyに似ている世界だ」


必要なのは

  • 学校を選ぶ権利を市民に与え、学校間の競争を促すこと
  • 教師という職業に本物のプロフェッショナリズムを与えること(※なんとここで「like the Senseiz of Japan, like those in Finland」と日本の「先生」が事例に出されていた!)
  • 教師の置き換えではなく、教師をより強くするため、そして子ども達に学びの活動に今まで以上に入り込んでもらうためにテクノロジーを利活用する
というのが彼の主張。

News Corporationという巨大な企業が興味を示してきた「教育業界のイノベーション」。巨額の金銭が動く世界でもあるので綺麗ごとばかりじゃなさそうな気もしますが変革が久しく起きていなかった世界にとって何らかの動きにつながるか、今後が気になります。