教育とIT〜学習者一人一人に合わせて

10月22日のForbesの記事 5 School Technologies to Watch: Personalized Learning Is Hereを見ながら最近触れた情報を色々思い出していました。(ちなみにForbestの記事は以前のブログで紹介したHorizon Reportと似た内容。今既に注目されているトレンドのまとめ的なレポートになっていました)

①Moving to the Cloud and Collaborative Environments
  • 先週〆切だったグループ共同で取り組んだ20ページレポート。Google Docのお陰で作業効率は大学時代の同種の作業時に比べて劇的に高かった
  • 多くの学生を同時に見る必要のある学校の教師だった場合、私という個人以上にクラウドがもたらすパワーがありそう
  • ▶︎''10 Powerful ways to use Google in Education''(どれが10個なのかよく分からない記事ですが・・・)
②Cross-Platform Integration, Vendor Collaboration and the Rise of the Marketplace
  • どんなイノベーションが起きたとしても''silver bullet''(それだけで全ての問題が解決するような特効薬)は存在しない、ということが理解されつつある
③The Explosion of All Things Mobile
  • OSに関する興味深いコメントも。 iOS、Androidそして今週注目されているWindows 8....
  • PCに比べて世界ベースで普及率も高く、単価も低いという点がMobile Learningに対する興味が高まっている背景の一つ
  • BYOD(Bring your own device)の動きも関係あり(どの学校も教室にPCを導入できるゆとりがあるわけではないので)
④An Emphasis on Adaptive Learning
  • 学習者の個人に合わせた、personalized learning experienceの提供
  • Knewtonについてのコメント有(リアルタイムで学習者のパフォーマンスや活動をフォローし、そこからのインプットを踏まえ学習者に最適な手法、タイミング、コンテンツで学びを届けるというもの)
  • ちょっと関連して、評価の論点を含めると、こちらで注目され始めているCompetency-based Education (CBE) System。年齢や学校の定めた年度の開始時期に合わせるのではなく「kids learn in different ways on differen ttime frame」を大切にし、学習要項を「学んだことを示せるようになった」時点で次のステップに進めさせる、というモデル。昔からあった考え方であるもののITの利活用が進んだことで今まで以上にこのモデルの賛同者が増えている模様。参考記事。またこちらの団体がCBEの推進グループ。
  • Higher Education(高校卒業以降の過程)では実質的な価値を超過する学費の上昇&MOOCの台頭の流れを踏まえ「提供価値の見直し&評価軸の見直し」が一部の動きとして出て来ています。(以前ブログで少し触れたMOOCです)その一例としてのWestern Governors University。学生が卒業後に社会で活かすことのできる知識を確実に得ることを重視するこの大学が謳っているのは「We’re Competency-Based, Not Credit Hour Based」。どういう教育に自分の貴重なお金と時間を費やすか、消費者側の選択の幅が広いHigher Educationだからこそ、このような動きが主流になってくるか注目です。(クリステンセン教授が「破壊的イノベーションx教育」の考えをHigher Education向けに書いた分かりやすい論文はこちら→Disrupting College
  • また、学習者の年齢層に関わらずBlended Learningという考え方も非常な重要な動きとなっています。何をBlendするかというと対面(人と人の直接的なコミュニケーション)式の学びの場とオンライン(バーチャルなコミュニケーション)での学びを混ぜるということ。前者も後者も先生←→学生、学生同士、学生←→コンテンツを全て含む。先日はSilicon School Fundsが2500万ドル(20億円ほど)をBlended Learning Schoolに投資するといったニュースもありました。・・・これらに共通するのは「一人一人異なるニーズのある学習者それぞれに最も適した&有益となる学びの環境を提供しよう」というゴールを目指しているというところでしょうか。すごい世界になりつつあります。手法の開発や普及よりも今いる我々を含む大人達の「Unlearning」がまず求められそうです。ITx教育の勉強をしているとProfessional Development(教育に携わるプロの育成)の必要性/重要性が常に出てきます。
⑤Gamification
興味がある方はEdTech Cheat SheetというInfographicsを参考にしてみてください★