IT x 変化のスピード x 無意識 = !!

上手く整理できるか分からないけれども、大きく3つの事を書きたいと
思ってタイトルを考えていたら「ITx変化のスピードx無意識」という
テーマがその3つをつなげている、と思ったので最近の出来事+学びを
忘れないうちに書いてみようと思う。

ITの普及や高度化が物事の変化のスピードを加速させていて、様々な分野で
パラダイムシフトを起こしている・・的な話はずっと前から多くの人が
言っていることで、
自分なんかよりももっと深いレベルで説明してくださっている方がたくさん
いるということも知っているのだけれども、最近ようやく自分の中でも
「本当にそうなんだ!」&「これはちょっとおそろしいことだな」と
思うようになってきたという話。

特に最近立て続けに考えさせられるような情報や出来事との出会いが
あったのでまとめてみました↓

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1つ目は改めて今の子供達が自分が育った環境とは全く異なる世界で
育っているんだな、という事を再確認するきっかけとなった出来事

2つ目は「ITx変化のスピード」が既に存在している色々な「格差」の
amplifierになるリスクをはらんでいるかもと思わされた資料との出会い

3つ目は自分が過去数年ITとの関わり合いを継続的に深めて行った結果
(利便性にどんどんのめり込んでいった結果)
日々意識しないでとっている行動・習慣が、数年前、数ヶ月前のものから
大きく変わってしまっているという事を振り返ることができた機会
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①について

先日facebookでこの写真をアップした時のこと。
















「7歳の息子がこの写真を見て"what is he doing?", "is he in jail?"
って言ってたよ」とコメントしてくれた友人がいました。
最初は「確かにちょっと分かりにくいし、泣いているからそう見えたのかな」
くらいに捉えてて、可愛い発言だなぁくらいに思っていました。

でも、ふと「こんな分厚い教科書やノートの札束に囲まれる」=
「がつがつ勉強、泣くほど大変」という学びのシーンはもはや
過去のもので今後はどんどん無くなっていくのでは、と思ったり。

なぜかというと今までの詰め込み型の教育が今の情報化時代の社会で
必要な「21世紀型スキル」を習得するには不十分だ、という今の流れ。
学びのあり方、先生の役割、教室内での活動のデザイン、
評価のあり方・・・大きな変化が確かに起きつつある。

ということは今7歳の子はもう今後このレゴのような環境に
身をおくことはないのでは、と考えさせられた次第。
(少なくてもPCやタブレットがあるので物理的にもこういう
 シーンにならないはず)

また学習者のモチベーションや学びのスタイルに合わせた指導方法の
導入がすすめば「泣き顔」になることもきっと少なくなるに違いない。

「ジェネレーションギャップ」という単語に逃げない自分に
なりたい・・・今の子供達がどういう世界を見ていてどういう風に感じるか
ということに対する感受性を高めたいと思うきっかけとなりました。
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②について

授業の事前課題として読んでいた資料からの気づき。
アメリカをメインに取り上げているものだけれども
日本でも似たことが言えるのではないかと思ったり。

二つ印象的な点:
一つ目はここまでインターネットが普及して世の中の多くの人の
生活に影響を与えているにも関わらず「ネット&メールは使っていないし
自分に関係があるとは思えない、使う予定もない」と答える成人が
少なからずいるという点。
その人達と多くのユーザー&ネットの恩恵を受けている人達の間の
格差はどんどんと広がるばかりなのでは、と改めて思ったこと。
資料:Digital Difference by Pew Research Center (April 2012)

そしてもう一つはITを教育に利活用する際の落とし穴について
書いてあった論文(OLPCの失敗を取り上げている比較的辛口な内容)に
あったこと。ある程度の基礎学力や社会的サポート(学びを支えてくれる
周囲の大人、家族を含め)を持っている子供達はIT@教育の恩恵を
受け、constructivismに沿った指導方法の恩恵を受ける傾向が高いけれど、
一方そうでない子供達はITツールの提供によって更にパフォーマンスが
低下する傾向がある、という話。
資料:Equity issues with One Laptop per Child (OLPC)

変化のスピードが早いという特性がある故にITが「格差」のamplifierとしても
働くことがある、ということを考えさせられた資料でした。

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③について

これは自分自身を振り返って思ったこと

・スマートフォンを使い始めてから3年ちょっと。一時期はブラックベリーも
 使っていたし、7年の社会人生活では''check all email asap, reply if important asap"
 が身にしみついていた日々を過ごしていたこともあって、
 すっかり「365日常にwired/being accessible」な状態が当たり前となっていた。
 (ipadを半年ほど前にプレゼントされたこともあり更に症状は深刻に)

・そんな自分の状態を改めて見つめ直し意識的に行動を改めようかと
 思わされた記事とTED Talkとの出会い

 HBR:Coping-with-email-overload
 TED:社会心理学の教授Sherry TurkeのConnected, but alone?



 クラスメートの一人が「情報版ジャンクフード」を例えに使っていたけれども
 確かにスマートフォンのタッチの先につながる世界の存在や
 絶え間なくメールボックス注ぎ込まれて行くメールの存在は
 若干「ジャンクフード」的な要素があるような気が最近してきています。
 (仕事していた時に比べて格段に時間のゆとりがある大学院生なので
  ほおっておくと情報の「ジャンクフード」食べ過ぎ、という環境に
  いることもこう考える理由の一つかもしれない)
 食べているときは短期的に刺激が脳に与えられるけど、これは中長期的に
 自分の思考力や記憶力や学び取る力に悪い影響を与えているのでは、という懸念。
 
 リフレクションの重要性を色々な教育学関連の授業で語ることが多い
 のだけれども、自分がITをどう使っているか、ITにどう使われている?か
 という点をたまに振り返る必要があるな、と今回思った次第です。

・あと最後は自分がたった3ヶ月の間に
 「PDFを紙に印刷し、色ペンでハイライトしながら余白にメモを書く」学生から
 「PDFをダウンロードし、ipad上でpdf-notesというアプリ上で
  色ペンでハイライトしながら余白にメモを書く」学生完全にスイッチしたな、
 という気づき。

 今日もカフェで「それはどのアプリを使っているんだい?」と声をかけられることが
 あったけれども私の使っている無料アプリのpdf-notesとても便利です。
 good reader派の学生もいるみたいだけれども私は使ったことがなく、
 もう一つipad上に自分が置いているadobe readerに比べて
 フリーハンドで色々書けるのとペンの色も6色と選べるのがvisual learnerである
 自分としてはとても嬉しい点。

厳密にはちょっとインターフェースが違うけどこんな感じにメモをとれるのです

 











 

 

 日本にいた時も色鉛筆やクーピー大好き派だったのでまさか
 デジタルリーダーになるとは思っていなかったけれども印刷の手間、保存の
 煩雑さがあって、あっさりとアナログからデジタルに乗り換えてしまいました。
 それも無意識のうちに起きていた自分の習慣のシフトで、今では最後に紙に
 読書課題を印刷したのがいつか思い出せないほどです。

 こうやって変化は無意識のうちにあっという間に起きていくんだ、と
 改めて感じた出来事の一つでした。
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ばたばたと色々なことがあっという間にすぎてしまう今の時代だからこそ
こうやってちょっと振り返って自分の中で整理するのはやっぱり
重要だな、と思いました。

(ここまで読んでくださった方、お付き合いいただきありがとうございました★)