Acumenとアンバサダー・マーケティング

実は前回の更新から10日しか経っていなかったのかぁ、と思いながらのニューエントリ-。この10日間、なんか色々大変でした。で、やはり無理をするとリバウンドが来る、ということもあり、ハードだったNYでの1週間post日本出張1週間後の週末は廃人のようにフラフラと過ごし(といっても人と会ったりカンファレンスコールなどがありまして)今週木曜になってようやくなんか回復しつつあるような気がしています。

とはいうものの先週は大変だったけれどとても貴重な体験ができた1週間でした。何があったかというとAcumenの年次のInvestor Gathering(NPOの株主総会的な一大イベント)とそのために各都市から集まってきた+Acumen Chapterのリーダー達の2日間のリトリート。自分にとっての初のInvestor Gathering。そして昨年東京チャプターリーダーの一人として初参加したリトリート。今年は企画設計・運営者として関わらせてもらいました。国籍バラバラの、英語での「場づくり」「場のドキュメンテーション」は人生初で、大変貴重な経験をさせていただきました。

無事終了した年一度のチャプターリーダーリトリート

そもそもAcumenってなんぞや?という話は過去のエントリ-を見ていただくとして(9月13日:AcumenというNPOと私、募集ポジションなど)、今回3年目になるチャプターリトリートには50人弱の参加者が遠路はるばる自費でニューヨークにやってきました。(しかもInvestor Gatheringは毎年水曜なのでリトリートは木曜と金曜、もちろんボランティアのチャプターリーダーは全員仕事を休んで参加です)

今年新しくボランティアが立ち上がった新チャプター都市も多く、現在全部で23都市。(2013年11月時点のチャプターはこちら)もちろんインドやケニヤやスイスなどの都市などリーダーが来れなかったところもありましたが、オスロー、ロンドン、ドバイ、東京などからたくさんのlike-minded individualsが集まりました。規模は過去最大。そしてほとんどのリーダーがリトリート初体験。

Investor Gatheringは投資をしてくださっている個人法人の方を対象にしているイベントなのでオフィシャル感がありますが(今年の目玉?はフリードマンとクリスアンダーソンの対話でした)、リトリートはもっと家族の集まりみたいな感じ。IGでの興奮を持ち込んでその熱が醒めないうちに、という流れです。(過去のIGの状況はこちらにYouTubeがアップされています。ブログもこちら。去年はIDEOのTim Brownだったみたい)

詳細は省略しますが、海外のNAVERまとめっぽいStorifyを使ってドキュメントした様子はこちらで見れます。とっても密度の濃い時間、後でもらったフィードバックも嬉しいものが多く、次に意識を向けるべき点は今後世界中にちらばる彼らのモメンタム+一体感をいかに維持/助長させていくか、になっています。

Acumenの「+Acumen(プラスアキュメン)」という仕組み

ちなみに、ちょうど自分の好きなブログを書かれている方が「究極の口コミマーケティング/アンバサダー・マーケティング」というエントリ-を月初に書かれていました。(その日はちょうどIGの日でリトリートの前日)このブログでは「アンバサダーとは『会社ないし、会社の商品を熱烈に応援する顧客で、その会社(商品)を強く周囲に薦めてくれる人』」と説明してくれています。このフレーズをAcumenが数年前に始めた+Acumen(plus acumen)に当てはめると「Acumenの貧困問題への取り組み方という思想やリーダー育成に人的・金銭的な投資をするという手法を熱烈に応援する個人/コミュニティで、それらを強く周囲に薦めてくれる人達」と感じます。

+Acumenの中にあるチャプターに関わっている人は本部から金銭的インセンティブをもらっているわけでもなく、完全皆ボランティアの集団です。(なのでLIP「働きながら、社会を変える」の考え方を連想させます)おそらく関わるようになった背景とかコミットメントの度合いなどはその人それぞれだと思いますが、上記のようなWhyはどこのチャプターでも共有されています。(そしてそれが本部の+Acumenの統括リーダーが唯一気にしていること。Whyに関連する大切にしているValueやEthosはチャプターの閉鎖の可能性に関わるくらい重要な点でもあります)ブログにあった「ミッションが先行すべき」という箇所に該当している、と感じます。

Whyや大切にしているValueが共有されているからこそ、Whatはファンドレイジング、共感者や理解者を増やすためのイベント主催(ビジネスコンペや写真コンテストやディナーや読書会やハッピーアワーなど内容はチャプターに一任)や現地でのパートナーシップ構築、無料コースのマーケティングなど完全に現地一任で、現地の文化やNPO、Impact investmentに対する認知度/許容度によって自由にチャプターが決めて良い事になっています。

Leadership that does what is right not what is easy
今年改めてbrush upしたAcumenのマニフェストの一部

どうやってできるの?

もちろん+Acumenも一晩でできたわけではなく、4年前に一人の社内のリーダーが小さく始めた動きが、次第に大きくなり、社内の+Acumenチームが昨年には二人になり、今年は二人+0.5+0.5人になり、という段階を経て今に至ります。

なので自分が「どうすればつくれるのか?」という問いに答えるとすると「はずみ車を一歩一歩前に押して行くしかない」という答えしか今は思いつけません。他の事例を自分の限られた知識でかきあつめたとしても、今やG1カンファレンスやダボス会議でGlobis Nightを主催するようになっているグロービスも創立から20年の月日が、+Acumenこそ歴史は浅いですがAcumenも創立から12年、MITのScratchは世の中にプロダクトアウトしてから7年目。それぞれ違う形でずっと一貫したvalue propositionを訴え続け、結果としてアンバサダーの仕組みがファンの存在と共に導入され、viralになりつつある。そう感じます。

逆にスピードを重視した、アイディアやプロダクトの立ち上げと同時に導入、という動きができるものなのか、というのが今一番気になっているテーマでもあります。例えば最近こういう施策があるのを知りましたが、こういう取り組みが「好かれる『マーケター』」効果を出せるのか、とても気になります。iversityも2nd round募集をかけているようですし、人数が集まらなかったのかしら、と少し思ったりもしてしまいます。

いかにスピーディーに「究極の口コミマーケティング」ができるのか。誰か世界にそういう事例があったら教えてほしい。

おまけ

準備には念には念を、というグロービスでの研修設計の在り方やEgaku Workshopの運営お手伝いの経験は今回もとても役に立ちました(特に設計段階において)。が!やはり現場は生もの。そして時間通りに色々進まない。やはり場の雰囲気を一番大切にすることを意識するため臨機応変にぱっぱっぱと対応していかなければいけない。しかも人的リソースが日本で実施する「場」とは比べ物にならないほどlean。そういう意味でAcumenがいつも強調している「do more with less」「if you are not embarrassed by your first product, you waited too long」の文化を身を以て体験することもできました。