10年+前の自分との再会

学生時代の仲間は自分の大切なものを思い出させてくれる存在

早いもので大学院を卒業してから8ヶ月が経とうとしています。

当たり前ですが、学生時代に比べて忙しいです。リフレクションの時間も減りました。日々やらなくてはいけないこと、短期的に見えていてやりたいこと、そんなことで一日、一週間、一ヶ月が本当にあっという間です。

実は1月は5日半ほど東京に居たのですが、そんな超短期一時帰国もあっという間。先週水曜夜には戻り、また普通に仕事の日々です。2014年の最初の1ヶ月に成し遂げられたことは何かな、そんなことを考えました。

そんな時、土曜にHGSE時代の同級生と再会しました。たった2時間弱でしたが、お互い大学院生活時代の気持ちを思い出し、エネルギーをチャージし合うには十分で、あの密度濃かった大学院生活の意味というものを改めて考えさせられました。

目の前の事で頭の中がいっぱいになり、昔真剣に向き合っていたこと考えていたことがちょっと埋もれてしまうというのはよくあること。それでも自分が時間をかけて真剣に考えたことや強く抱いて来た感情って、忘れているようだけれど、なんかのきっかけでふっと蘇ってくるんだ・・そんなことを2006年から触っていなかった外付けHDDに保存されていたファイルを発見したことでも思い出しました。

2003年当時の自分が書いていたこと

そのファイルは「Application Essay to Human Ecology」日付は2003年の4月。自分の大学2年生の春学期の終わりの頃。理系の学科にいた自分が、デザインxビジネス系の学科への大学内の転籍を希望した際に提出したエッセイでした。(DEA [Design Environmental and Analysis]プログラム

正直このファイルを開くまで、こんなことを書いたことすら覚えていなかった私ですが、読んでみて当時の気持ちを思い出しました。英語の幼稚さに苦笑するところもありましたが、「確かに自分はこういう気持ちだった」と自分のルーツ?を再確認することができ、その当時のアウトプットがこのような形で少しも失われずに保存されていることに小さな感動を覚えました。

全部で4つの問いがあるのですが、そのうちの一つがなぜ既存の学科から新しい学科へ行きたいのか、というもの。

「I realized my interest was beginning to shift more towards to the psychological effects of food on human beings rather than that of physiological ones. I began to question myself if natural science is what I really want to continue to study (such as classes in Biology, Chemistry, Organic Chemistry, Genetics, Physiology, and other Nutrition Science requirement classes). I had been studying science classes exclusively since I was a high school student, therefore, I had never questioned myself before if there were any other fields of study that I would have been interested in. I thought it was a good timing for me to think about my interest deeper again and think if Nutrition Science is what I really want to study. 」



高校時代理系だったからといって理系の学科に進学したけれど、なんかちょっと違ったかも、という気持ちを当時の自分は書いています。

そして、自分が今後の更なる学問の追求において重視したい2つのポイントを以下のように書いています:

① I want to study something that has direct influences on human welfare. I wanted to learn how people’s emotions are triggered and determined by environmental factors and how people can manipulate (これはmanipulateじゃなくて今ならdesignと書くと思いますが・・)such stimulus from the environment to improve their behavior or moods. 
② I want to study business since I had strong interest in business but yet never had a chance to learn

どうして当時自分がビジネスの話に興味が湧いたのかは記憶にないのですが、既にこの時お試しで「Introduction to Business Management」を受講していたり、父が金融機関にいたことの影響があったのかもしれません。逆にここでビジネス要素に全く触れていなかったら、卒業後に金融機関で働くこともなかったと思いますし、2005年以降現時点に至るまでの自分の人生が全く違うものになっていたかと考えるとなかなか感慨深い分岐点だったな、2003年・・・と思ったりもするわけです。

つたない英語で書かれたこのエッセイには更に、既に自分が友人を通じて転籍先のプログラムの情報を収集済みであることや、教授との面談や自由選択科目を通じて転籍が今の自分にとってベストな判断であるということを確信しているといったことが書いてありました。

当時の21歳の自分。

頑張ったんだね・・。とちょっと懐かしいような優しい気持ちになった「10年+前の自分との再会」でした。素晴らしき外付けHDD。当時の授業のデザインプロジェクトなどの写真やillustratorファイルが全て残っている、本当に懐かしい。

大学生の時に学んだものが何か社会人になったときに役立ちますか?という質問をする人がいたり、最近だとCareer Readinessのための学習期間という位置づけとして大学を捉える人が多いけれど、私はやっぱりあの時の様々な体当たり体験(勉強に限らず)が今の自分を形作っていると思います。もちろんあの時の何がどう仕事に役立っていますか?と言われると具体的には何も答えられませんが。だってこんなの課題でつくっていたくらいですから・・。(この時に自分はデザイナーとしては無理だという気付きを得たり、自分はものすごくロジカルに物事を考える人だ、と気付いたのも大切な学び)








加えて今回の振り返りの機会からの学びは「結局、当時の自分からあまり自分は変わっていないな」ということ。自分の過去10年を振り返ってみても、結局まっすぐにスムーズな道は一度も描けていないし。興味があるもの、得意なものを一度試してみて、感じてみて、考えてみて、また動いてみて・・・・遠回りかもしれないけれど、色々とドタバタと慌ただしく、自分が納得するような道に少しづつ近づいていく人生が結局は私っぽいのかもしれない・・。そんなことを思ったりしました。すこーしづつつながっているのだけれどね、それぞれの点は。


おまけ:ちょっと文脈が違うけれどQuartzに載っていたこの記事「Your Brain Has an Exclusive VIP Line for Friends」。新しい親友を作ると、友達のVIPリストから優先順位の低めな友達がリスト外になっちゃう、という話。