20人に一人には関係あるはず

アトピー性皮膚炎(AD)の日本における有病率の話です。

対象層が誰で、どのような調査をしたかによって幅がありますが、例えば千葉大の大学院の先生がされたこちらのリサーチによると(成人、医師の検診による有症率調査、調査対象は東大職員+製薬企業職員合計2500名弱)男性5%前後、女性9%前後。文科省が全国の公立の小学校・中学校・高等学校・中等教育学校36,00校から得た回答を元にまとめられたこちらのリサーチによると児童生徒の有病率は5.5%。こちらは男子が5.6%、女子が5.4%。

ということですごく限られたサンプルで、かつ解釈の余地も色々有る結果ではありますが、ポイントは、そんなに珍しい話ではないということ。30人の教室だったら1人か2人がなんらかのアトピー性皮膚炎を患っているということだし、社内の60人の部署だったら3人。

アトピー性皮膚炎(AD)とはそもそも2歳以降に発症する例は比較的少ないので(確か1割とかそれ以下)(他の皮膚病はもちろんある)、大体アトピーに苦しんでいる人はアトピーとの付き合いは相当長いと考えられます。私も0歳児の時からの付き合いで、当時の写真はほっぺたが赤くてリンゴちゃんのようでした。

食生活の変化や環境にあるストレス因子の増加(都市化に起因する?)やメカニズムはまだまだクリアになっていませんが、近年有病率が上昇しているという話もあるようです。

untickleという会社

と、今日この話を書いているのは、友人の会社のクラウドファンディングの動きを紹介しようと思ったため。その会社は株式会社untickle。同社のビジョンは「アトピーのムズムズをワクワクに」。知り合いの方のFB投稿で存在を知ったこの会社。この会社がアトピー患者のためのオンラインコミュニティサイト「アトピン」を創ろうとしています。

以前ここでSENSEI NOTEについて紹介した時に同社のクラウドファンディングの取り組みを共有しましたが、アトピンもCampfireというクラウドファンディングで資金調達を行っています。あと残りは43日のようです。(詳細はこちら

このサイトに詳細は書いてありますが、私は一人のアトピー患者として創業者である、野村さんを尊敬しています。昨年の夏の一時帰国時にほんの少しですがカフェで対面し、彼女と同じような重度の悪化を経験している人間として彼女の取り組みに共感しました。思ってみれば30年近くアトピーを抱えて生きていたのにも関わらず、アトピーのことやアトピー対策についてあのように同世代の女性と対話することは今迄ほとんど無かったということにも気付きました。

そして、彼女のビジョン/プランに共感する人は私だけでないということも感じています。(2011年8月のStartup Weekend Tokyoで優勝したり、ついこの間は2013年12月ヘルスケアベンチャ-経営者のイベント「S-1チャレンジ」で優勝したり)会社設立からまだ3ヶ月?だと思うので今後が楽しみです。

もし「サポートしたいな」と思った方がいたら、キャンプファイアを覗いてみてください。SENSEI NOTEの時も目標が遠くて「どうかなぁ」と思っていたのですが、結局到達し、ほぼ1年経って「ReadyFor活動レポート」を共有いただいた時は本当に嬉しく思ったものです。

3月29日までのアトピンのCampfireでのプロジェクト。達成するといいですね。

........と私

株式会社untickleは二つのプロダクトがあります。密かにプロボノでwebマガジンの方にライターとして登場したりしています。まだ三回ほどですが。
  • アトピー専門webマガジン【untickle
  • みんなのアトピー対策口コミサイト【アトピン】-こちらが今回ここでファンディング中
自分はアトピーが理由で一時期仕事に行けなくなったり、笑えなくなった時期もあったり、と。「minority」になるとはどういう気持ちなのか、毎日を「普通に」過ごすことすらできないことがどれだけ辛いことなのか、そういう時でも自分に差別なく接してくれる人たちがどれだけ有り難い存在かというのをアトピー持ちであったが故に学ぶきっかけを得られたと思っています。

いかにポジティブにとらえようとしても、悩みはつきないアトピー持ち。そんな人達を「ワクワクに」という同社の取り組みを非常に微力ではありますが応援しています。

日本の20人に一人。きっとこの話に共感してくれる人がいるんじゃないかな、と思っています。頑張れ野村さん!


アトピンのキャラクター「あかりん」
http://www.atoping.com/より


【関連エントリ-】SENSEI NOTEというベンチャ-