いかに自分のコミュニティが狭いかという話

都知事選

確か前回の選挙の時も、選挙後にこういうことを言っている人がいて、まぁ、今回も同じような話ですけれど。改めて自分がつながっている人達、情報源となってくれている人達全部を含めてもそのコミュニティが狭いところか、ということを再確認する都知事選であった気がします。

「家入さん」という方の存在はSocial mediaを通じて知っていた私ですが、もちろん他の候補者の話もメディアの発信内容を眺めながらなんとなく追っていました。(家入さんに関しては記者会見の原文起こしをしてくださっているブロガーさんがいたので、海外にいながらも他の候補者よりも詳細に理解することができました)都知事に結局選ばれた舛添さんの昔の発言が掘り起こされ、問題になっていたということももちろん知っていました。

で、結局ふたを開けてみると投票率の低さも驚きでしたが、男女間で支持率が共に5割強という結果にも少なからず驚かされました。「舛添要一を都知事にしたくない女たちの会」というかなりインパクトのあるタイトルがついたグループも活動をされていたようですが、結局そういう動きがあることや過去の発言の話をまったく知らない人が大多数だったのか・・また、そういう話を聞いても特にそういう話を気にしない人達が選挙に行ったのでしょう。

色々な人がいるのは当然ですし、別に票を入れた人に対して何かを感じる、という訳ではないのですが、自分が見ている情報を発信している人達、自分が普段話す人達が感じていることは世間一般でみたらほんのごく一部なのだな、を改めて感じた次第です。(The Economistが早速今回の都知事選について記事を書いています。最後の「All in all, not an election to be proud of.」に悲しいながら共感してしまします。

靖国神社参拝の賛否、ソーシャルビジネス認知度

「自分の属しているコミュニティって狭いなあ」・・今回初めて感じた訳じゃないけれども、最近こういうことを感じることが二回はありました。

一つは靖国神社参拝の安倍首相の行動について。日本国民の「世論調査の結果」に違和感を覚えたのは私だけじゃないはず。在英国際ジャーナリストのこの方がこの記事でも「国内と国外でパーセプションギャップがこれだけ広がっている」とありましたが、海外で仕事をしている日本人や海外と日本の橋渡し的な役割をしている日本人の多くには「賛成」というよりは「戸惑い」や「疑問(タイミング)」(一部の方は「怒り」)が主な反応だったと記憶しています。

もう一つはちょっと前ですがNPO法人ETICが実施していた「ソーシャルビジネス・社会起業家に関する若者認知度調査2013」の結果。グラミン銀行が1.5%、フローレンスでさえ1.4%という結果には少なからずの衝撃を受けました。もちろんこの一つの結果の示唆することを過大解釈してもしょうがないのですが(最近は日経ソーシャルイニシアチブ大賞などもあるので認知度は高まっているはず)やはり自分の見ているコミュニティは狭い・・。

だから何だ、という話ではありますが、都知事選をきっかけに「あぁ、やっぱり」と感じていたのでその気持ちを記しておこうと思い久々にエントリ-を書いてみました。先週も参加した某研修で出会った他の業種の方々から「MOOCって何?」「EdTechって?」「Acumenって何?」「反転授業って?」といった質問をされるばかりでもあり、やっぱり自分の見ているコミュニティは狭いなぁ、と。(※追記:あ、ちなみにこの研修に居た人達がsocial work/NPOの世界の人達だったのでAcumenのことについて書きました。もちろん日本での知名度が圧倒的に低いことは理解しています、笑)そんな狭い中でも「T字型の縦棒」を伸ばせるように引き続き頑張っていこうとは思っていますが。(最近のワクワクはThe Economistにあった「算数の新しい教え方について」だったり、日本でバカロレア教育を推し進めようと頑張っている人達の話だったり)

最近の「強気な」日本、複雑な気持ち

最後に、そんな「狭いコミュニティ」にいる自分ですが、海外・国内メディアを通じて日本の中で起きていることや、日本の人が外にむけて発信した言葉には触れています。自分が知る前に、アメリカ人の友人に質問されて初めて知る事もあります。そんな情報のカケラを集めていると、最近の日本の「強気な」雰囲気に戸惑いを感じることがどうも増えているような気がします・・・。

昨年話題になった橋本氏の発言や「Osaka mayor Toru Hashimoto: Sex slaves in World War Two were necessary to 'maintain discipline' for Japanese military」、何故か急遽怒りをぶちまけ話題になった「上田秀明大使、国連で「シャラップ!」」事件、つい昨日にはソチオリンピック会場での森元首相による「英語は敵国の言葉だったから学ばなかった」発言。他にもNHK経営委員の百田氏の発言とか、NHK会長の籾井氏の発言とか・・・理解しにくいことが続いています。なぜ今、なぜそのような言い回しで発言してしまうのか・・。

教育の世界でも日本が教科書をどのように改訂していくかは無視できないトピックとなっており、今後の展開が色々と心配です「In Textbook Fight, Japan Leaders Seek to Recast History」(The New York Timesの12月29日の記事)