つながりが生まれるきっかけ、強まるきっかけ

グループがグループとして力を発揮するために乗り越えなくてはいけない7つの矛盾 (① Paradox of identity ② Paradox of disclosure ③ Paradox of trust ④ Paradox of individuality ⑤ Paradox of authority ⑥ Paradox of regression ⑦ Paradox of creativity)。大学院で学んだこの考え方を最近たまに思い出します。特に②と③。(過去エントリー

なぜなら同じように個と個の人間関係においても「矛盾」って存在するな、と感じるようになってきたから。自分にとってかけがえのない日本にいる仲間たち、海外にいる間に出会った(対面、バーチャルで)仲間たち。彼らとの日々のやりとりを通じて考えるようになったこと。

それは、一人一人の持っている「強い何か」が人間同士のつながりを創ってくれる一方で、そうやって構築された関係を深いもの・継続するものにするために重要なのは「お互いの脆さ」ではないかな、と。強さと脆さとが共存していることが安定した絆を生むのかもしれない、そんな考え。

この「強い何か」とは、それぞれがやってきたこと、これからやりたいこと、やるべきと考えていること、そのために欲していること。その背景にある考え方や行動の軌跡。そういった、その人個人の「らしさ」を際立たせる強いストーリーや想いのこと。これらのどれかが伝わってくることが、人と人が(特に遠いところにいる人間同士が)つながるきっかけになったりする。

でもそれだけだと何かが足りなくて。


物理的にも時間的にも距離のある二人の人間を本当の意味で継続的につなげてくれるものは、お互いの弱い部分、悩んでいる部分、恥ずかしい部分に対する理解の存在だと思うのです。ここに存在する小さな矛盾。

面白いな、と思うのは、こういう関係にある個人同士が鏡のように相互に反応し合うというところ。相手が少し弱い部分を見せてくれることをきっかけに、自分も見せようという気持ちになる。または、自分が落ち込んでいるときに相談するから、相手もそういう状況になったときにこっちを頼ってくれたりする。プライドなどが邪魔して自分からShareできない相手から、その人の深い部分をShareされることは滅多にない。逆も然り。

きちんとした信頼関係があるから、弱い部分を共有できるのか、またはそういう側面を見せられたことをきっかけに関係が深まるのか。

相互が順風満帆なときにしか、または共通の何かにワクワクを感じているときのみにやりとりをする関係も刺激的であるものの、ふとした瞬間に「あぁ、この人とこの人生で出会ってよかったな」とか「I am so glad that you are in my life」って感じるのは強さも脆さも共有し合えているような相手との関係だったりする。

こういう関係にある友人達と出会えた自分は本当に幸せな人間だな、と思います。