アウトプットとリフレクションとのバランス

最近仕事が忙しい。これを乗り越えれば日本に一時帰国(そこで仕事はします)だからと思って引き受け過ぎてしまったのだけれど、3つのMOOC設計提供と二日間リトリート設計プロマネという山を前に毎日締切に追われている。

アウトプットだらけの最近は、たまに手を伸ばして掴み取るインプットがあったとしても、全て短期的なアウトプットのためのもの。アウトプットを生み出すという行為は繰り返していく中で中毒性も生まれてる。そういうことを過去に体験している私は自分がアウトプット偏重になると少し心配になる癖もついている。

振り返ってみると自分にとってのリフレクションの場であるブログにもほとんど向き合えない状況も続いていた。少し前はブログを書く時間が取れないとモヤモヤする気持ちがあったりしたものだけれど、それすら起きない状態だったと思う。

おそらく仕事のアウトプットを生み出すことに生活のほとんどのエネルギーが費やされていたのだろうと思われる。

「リフレクティブ・マネージャー(中原先生&金井先生)」の内容に共感し、提供しているコース設計にもその思想を織り込んでいる自分が皮肉にも一番リフレクションできていないという数週間〜数ヶ月が続いていたような気もしてくる。

でも、そんな流れがちょっと変わりそうなきっかけをくれたのが今夜参加したカンファレンス。毎年実施されていて、今年11回目となる「Transformative Learning Conference」

仕事の一部として金曜〜日曜と参加する予定のこのイベント。今夜はそのpre-conferenceイベントという位置づけ。とはいえ、正直開始直後は身体はその場にいても、溜まっている仕事のことが頭を何度も横切り、完全にその場の空気に入って行くことがなかなか出来なかったりもした。

でも、二時間が経ったころには、二年前の10月半ばに自分が持っていた気持ちが一瞬戻ってきたのを感じとる。

何か、ここ最近得たことのなかった感覚が自分の頭に入って来て、帰り道、コロンビア大のTeachers Collegeのある120th streetから急行電車の止まる96th streetまでひたすら歩きながら色んなことを考えてみた。

二年前の私は何をしていたんだっけ。

そう、ボストンにいた。大学院生生活を始めて2ヶ月ほどの頃で自分が教育学部という未知の世界で何を学び、卒業後どういう道をどこで歩むことになろうかなどもまだ考え始める前。もう二年も経つんだという衝撃。

今の自分との違いは何だろう。

今の自分は新しいインプットに触れる機会があっても常に業務へどう活かせるかというフィルターで取捨選択することが増えてしまっている。当時はそんなことがなかった、確か。何が自分の目の前に転がってくるか分からなくて必死で全体像を掴もうとhumble(謙虚さを持ち)でgreedy(欲張り)な状態だったはず。そしてインプットのシャワーを浴びていた為、リフレクションをすることが自然な流れとして自分に組み込まれていた。

でも、いつの間にか「実践者」になって、がむしゃらに前に進んでいるうちにそういう時の気持ちや体験から離れている時間の方が増えて来ていた。

何か思い出すべきことを思い出すきっかけの端っこがもらえたような、まだ見えていないような。

明日からの3日間は、一旦そういう日々の世界からちょっと飛び出して、もっと広い視野/長期を見据えて物事や自分のしていることの意味を考える時間を過ごしたい。それらが今の自分にとってリフレクティブ・シンキングの機会となる気がしているから・・。

さて、どうなるかな。