「星の王子様」の旅も終盤へ

2017年の最初の投稿はスペイン第10位の人口を抱える都市、ビルバオの空港にて。1時間後にロンドンに向けて出発する。「そうだ、久々にブログを書こう」- バケーション中の最初の数日にずれこんだ仕事作業のために背負ってきた仕事用のノートパソコンを開いてみる。

久々のバケーション。ほぼ丸々1週間仕事のことを考えないで過ごしている、こんな状態はとても久しぶり。これからこの休み中の4都市目となるロンドンに戻っていく。

この旅に出ることが決まるまで

えいやっ、と、時間とお金を投資することを決めた今回のバケーション。行くことを決めて本当に良かったな、としみじみしながらの搭乗。そういえば、今まで人生で何かきっかけとなる選択をするときは、「人とのご縁」と「目の前に機会がぶら下がったときの心の声」の掛け算で歯車が動き出すことが多い。今回もそんな感じで決めたものだった。

ちょうど半年近く前だろうか、ハンガリー在住のMaiさんに、日本で再会した。

きっかけは一時帰国中の東京で参加した某クリスマス会。「大きな理想を掲げながら(一見薄利な)活動をしていると、ときに『お花畑的である』『お花を愛でるよりも稲刈りを』と揶揄されることがありますが、お花畑上等。お花畑から希望を生み出すのだという決意を込めて、大きな理想を掲げながら真剣にがんばっているメンバーでグループを作ってみました」と、私の尊敬する友人(GS時代の戦友)が始めた「お花畑連合」というFacebookグループ。そのメンバーをリアルで集めましょう、という会だった。クリスマス当日、日曜の夜というスケジュールにも関わらず20人前後が集まったその会に、たまたまハンガリーから一時帰国していたMaiさんも顔を出してくれた。

Maiさんとは2012年のボストンでの一回きりの夕食以来のご縁。まだまだゆっくり話足りないのだけれど、彼女の動作・発言・雰囲気から醸し出されている何かにいつも圧倒されている。素敵な方だな、といつも思わされる。そんなお方。

その彼女からクリスマス会の後にメッセージをいただいた。
「2017年のGWは1,2日に有給をとると、9連休。発酵を軸にサステナブルフードツアーを開催しようと思っています。私がお世話になっているかたがたを訪ね、体験語らい内省の旅路です。Copenhagen、Toscany、Budapest & Tokajを巡り、学際的な視点から五感覚を意図的に知覚しEmotional Intelligenceと意思決定プロセスを意識する機会。もしご興味ありましたら」
同じ頃、2013年以降毎年開催している、仲間6人(2016年末から7人に)の年末振り返り・リトリート合宿で箱根に一泊旅行にいっていた。それぞれが、それぞれの場所で目まぐるしく動いているメンバー同志、一年に一度集合し「1年にあったこと、学んだこと、次の年への示唆」を振り返り、充電する大切な場。

そこに参加していた一人、さのっちが「(仕事のついでに1日だけ滞在した)スペインのサンセバスチャンが良かった~」と。そして、それを聞いた秋田で活躍中のうっしーが「あ、来年行くかも、行こうかな」。その時はサンセバスチャンが一体どこにあるかもわかっていなかった私も、一緒に他メンバーも「いいね、ヨーロッパで合流しちゃったり」なんて話になった。

直感的にMaiさんのツアーのどこかに参加したい、と思った私とさきちゃんと、ちょうど年始からオランダ赴任になったさのっちの家族旅行と本当に実現しちゃったうっしーのGW中の海外出張。あれよあれよという間に勢いでコミットだけメンバー間できめた今回のヨーロッパ。ついでだし、と私は前後にロンドンをいれ、元チーム仲間の大好きな友人の新居に転がりこむことにする。

Maiさんの提案や、さのっちのつぶやきがなかったら「えいやっ」と丸々と二週間の有給をとることなんてなかったと思う。今回の旅。

直前まで仕事に追われ続けていた私とさきちゃん。飛行機にそれぞれ乗ってローマで落ち合うまで、事前計画ほぼゼロ。そんな状態だった私達だったけれど、様々な人たちからの「ギフト」と現地での自然な出会いに恵まれて、心の栄養素たっぷりの8日間を一緒に過ごすことができた。そこで見たこと、感じたことを忘れないように、言語化してみようかと。

旅のテーマとなった「星の王子様」

このエントリーのタイトルにあるように、振り返って見ると私たちの今回の旅のテーマは「星の王子様」でした。イタリアでの滞在先の部屋にこの絵本があったり、スペインで立ち寄ったお気に入りの本屋にあったり、といろいろとご縁を感じたものでした。

そんな「星の王子さま」。最後に読んだのはかなり前で記憶もおぼろげ。さきちゃんとの最後のランチでGoogle検索してみたらこんな記事を発見しました「『星の王子さま』は、こんなに素敵な人生の教訓を教えてくれる」。以下その記事からの抜粋。
  • 子供の時の独創性を、もういちど取り戻そう
  • 真面目になりすぎず、ちょっとしたことを楽しもう
  • 幸せになるため、自分の時間を持とう
  • 探検する勇気を持とう
  • 何かを決めるときには、心に従おう
ニューヨークという街で4年近く生活して、Acumen(今の所属している組織)で働く中で、自分が大切にするようになったことと重なることが多いポイントです。しかも面白いのがこの旅の途中でメンバーと語り合った内容と重なる部分も多い。

日々マンハッタンでみている景色とは違う、ヨーロッパという場所で、頭の中を空っぽにして、五感をフル活用し、自分の心が喜ぶ旅を終えようとした頃に同じようなメッセージに向き合うことになるとは、ちょっと興味深いな、と思ったりしました。・・にしても「星の王子様」・深いですね。子供の時に読んだ時とはちょっと違う刺さり方がします。


日本にはできる限り両親(と愛猫たち)の顔を見に帰りたいし、物価が高いのに所得の低い業界にいるニューヨーク生活の身ではなかなか旅行を頻繁にすることは難しい。でも、やはり旅はいいな、と。

さて、次はまず、イタリアトスカーナでの経験のまとめ。