インド出張中に見聞きした・感じた10のこと

人生4度目のインド訪問を終え、帰りの機内での更新(のつもりが、1ヶ月も経ってからNYに戻ってからの公開)そもそもは今年の春先に3度目の訪問をした時に下書きとして保存しておいたもの。せっかくだから公開しとこかな、と。

以下ほぼ3月の下書きのままの内容。

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1.5年ぶりのムンバイ。これでこの街は3回目。さすがに3回目になるとなかなか慣れてくる、とはいえ、毎回現地に住んでるインド人同僚&フェローの存在に甘えっぱなし。

今回の二週間の滞在でもお腹も壊さず、モリモリご飯を食べ、お土産をたくさん購入するという充実した滞在だった。(追記:今回の9月の滞在もほぼ同じ。ただ今回は大都会のムンバイではなくライプールという都市のホテルにほぼ1週間詰めていたのでさすがにインド料理に飽きてしまった)

インドという大国の、ごく一部の地域、かつ「出張中の外国人」という限りなく限定された体験だったけれどそんな中でも思ったこと、気づいたこと。
  1. スターバックス

    直前に聞いたpodcast(How I Built This with Guy Raz|Starbucks: Howard Schultz)が頭にあったからか、前回よりも意識しながらスタバをみてみた。下手すると低所得層&観光客だらけのニューヨークのスタバより東京のスタバに近い。おしゃれイメージを維持できていて、現地展開の鍵はTataとのコラボらしい。ちなみにライプールにはスタバはなかった。
  2. Uber

    ニューヨークでは断然Lyft派なのだけれど(運転手さんたちの評判がUberより圧倒的に良い)インド出張ではLyftはないのでUberを一旦ダウンロード。現地でOlaという競合の成長が著しく(ソフトバンクが26%を保有しているらしい、Uberとの合併の噂が昨年末から年初にあった会社、でもOlaが追加資金調達できたみたいなので、多分しばらく合併の噂はないかもしれない)ライプールでは同僚が迷いなくOlaを使用していた。にしてもどのシェアライドサービスも安い。3ドルを超える移動はなかった気がする。確実に環境汚染・道路渋滞に貢献する出張者の私。プリウス運転者に金銭的補助を出してるシアトル(ムンバイ出張前に行っていた)との違いを考えさせられた。大都会ムンバイでは、移動距離が短い場合はまだまだリキシャも便利で、ムンバイの道路は乗用車とリキシャとバイクと歩行者のカオス。今まで誰も自動車・リキシャに轢かれるのを目撃していないのが心底不思議+クラクションを鳴らしすぎる人たちが多すぎて、血圧が高くなったり心労で病気になったりしないかが心配だったりする。
  3. リキシャ

    uberではたまに英語NGなドライバーがいるけれど、リキシャでは英語が話せる運転者の確率はぐんと下がる。したがって、ある程度現地の道路の名前とか主要な公園の名前か伝えられないと、やや移動が大変。ただ、それを乗り越えればリキシャは便利で格安の交通手段。渋滞をくねくねと乗り切ることもできる。そんな便利さはあるものの、運転の安全性はドキドキもの。「いや、これ正面追突でしょう」というルートをぐいぐい走っていくので後ろに乗っている時はUberの時と違ってなかなかゆったりできない。うっかり曲がるべきところを運転手が過ぎてしまいそうになるときなど、あっ!という声などうっかり出してしまったら最後、「あ、」ってなったとこをとっくに過ぎて、後ろからも前からもどんどん車きてるのに、曲がろうとする。と、ニューヨークや東京のタクシーの感覚だと「次曲がれるとこで曲がって違うルートて目的地に向かう」が普通なのに。でも現地の同僚とかは平気で無理難題な運転要求をドライバーに出す。ドライバーはその難題を言われるままにこなそうとする。だから客は引き続き他のドライバーも無理難題をこなすだろうと期待する。ループは続く・・。
  4. AirBnB

    今回はAirBnBに初滞在、最初の二泊だけ。同僚が使ったことのあるところで、会社のオフィスがあるwest bandraという地域(東京でいうと港区みたいな位置づけ)。メイドさんが3人もいて、5部屋もあり、個人事業主である家主の家&オフィスが含まれていて、パグも一匹ついてくるとこだった(こちら)。朝ごはんはメイドさんが作ってくれたのを滞在ゲスト皆でリビングで食べるという仕組みだったのはややびっくりしたけれど、そこでもステキな出会いがあって、こういうのもいいな、という新発見があった。土地柄か、物件の特性か、比較的他の滞在客の年齢層は高く、キャリア経験も豊かに積まれてる方々だった。変なホテルより全然よかった。各室シャワートイレ付き。昔家主さんの子供達が使っていたらしい。(追記:9月の出張中も二泊ムンバイが必要だったのでリピート使用した)
  5. メイド

    主な仕事は朝ごはんづくり(家庭によっては夜ごはんも)、皿洗い、洗濯、床拭きなどを含む掃除(ムンバイでは一日これをやらないと砂や埃がすぐたまる、床は石の家がほとんどだった。木とかは痛むのかな)。彼らの多くは家主とは異なる衛生環境で生活していたりするのもあって、多くのメイドさんたちは家主さんと椅子などの家具やトイレを共有しないらしい。英語もほとんど話さず。私が最後に二泊した友人カップルの家では「メイドのいる生活に慣れないために雇わない」ことを二人で決めたらしく、家事を全てやっていた。たしかに床はほかの家に比べてザラザラしていたからビーサンで室内では歩いていたし、たまに忙しいときはキッチンに使ったままのコーヒーカップとかがたまに置いてあった(でも、すごく綺麗に維持されているおしゃれな家。デザイナーカップルだからかな、と、、)。一方四泊した同僚の家は3人のアラサー女子がシェアしている物件で、毎日夜になると次の日7時にくるメイドさんが洗うのであろう食器がぐちゃあ、と置いてあった。
    ・関連記事:インドでメイドに家事・育児をサポートしてもらって思うこと
    ・関連記事:インドのメイドの相場っていくら? vol.286
  6.  なんでもデリバリー

    同僚や大学院時代の友人のムンバイ生活ではニューヨーク以上に「食べもの・飲み物は何でもいつでもデリバリーサービス」を使っているような印象を得た。ニューヨークのマンハッタンでseamlessを愛用している人間として、自分はデリバリーサービスに慣れている方だと思ったけれど、ムンバイのwest bandaエリアの人たちの習慣はそれを超えていた。スタバのフラペチーノ一つからデリバリー。アイスクリーム五個、ワッフルコーンつき、もすぐデリバリー。コーヒー飲みたいな、って思ったらそれもデリバリーされてくる。どうりで多くの働く女性友達が「料理一切しないよ^ ^」と(メイドが家にいたらなおさら)。子供いる場合はナニーがいるし、いやはやここの(そういうリソースを使う側にいる)女性たちは男女平等により近いのかな、と思いきや、男性側の女性側にある期待値や、義理の両親からの干渉とかもあるので、そこはパートナー間でうまく話し合ったり、事前に約束事とかできていないと、やっぱり女性側の方が家での負担があるらしい、と。ちなみに使ったアプリはzomato。食べログに機能が加わったかんじ。
  7. オンラインデート ・アプリ

    ニューヨークでは日常会話に普通に出てくるtinderやbumbleといったアプリがこちらでも普通に使われてるらしい。ただ、アメリカで育ってこっちにいるインド人曰く、あまり女性側からデートに誘うのはダメよと周りのインド人友達から言われてるらしい。それぞれの文化圏で効果的なアプローチが微妙に違う模様。また、ムンバイではないのだけれど、北部のもう少し小さな都市でtinderを使っている友人は「気持ち悪い既婚者のおじさんが多いから辞めた」とも言っていた。
  8. スラム美化プロジェクト

    ムンバイに行ったことある人はわかるように、近代的な有料高速道路がキラキラしている横でスラムが広がっているこの町には二つの異なる世界が違和感いっぱいに共存している。そんなスラムをどうにかしようという不動産プロジェクトが計画されているらしい。具体的には不動産デベロッパーになんらかのインセンティブを与え、二棟のタワーマンションをスラム近くにたててもらい、一棟は高級マンションに、普通に家賃を稼ぐ用に使ってもらい、その稼ぎと政府からの金銭的な補助サポートでもう一棟にスラムで生活していた人たちに住居を与える、という内容らしい。実現するかはわからないと現地の友人。確かに聞いただけだと、いや、難しいのでは、と思いつつ、とりあえずそんな話があるらしい。
  9. 首相のイメージキャンペーン

    似たような話なのだけれど、首相がホウキを自ら持って床を掃除するという内容の「国の美化キャンペーンメッセージ/Clean India」がいつか発信されたらしい。それについての感想が聞く相手によって全く異なっていたのが面白かった。上記のairbnbで一緒になった、50台後半の元経営者と、彼と同世代の家主さんたちの感想はポジティブ。ゴミを床に捨ててメイドに片付けさせるのが常となっていた富裕層へのメッセージになると思う、と。一方でアキュメンのフェローと話したときはほとんどが笑っていて「あれ、撮影の前にゴミをわざと撒き散らしてからやったらしいよ」とか「地元に彼がきたとき、チリ一つ無いように地元をあげて、清掃したけど、その時だけだったよ」と。長い間蓄積されて出来た断絶を繋げるのは楽ではない、、、カースト制然り、経済格差の問題然り、宗教に関わる差別の問題然り。
  10. 最近のインドの動き(9月に追記)

    3月にこれを書き始めたときは九個までしか書けなかったこのエントリーして。9月にインドに行った時にちょうどインドの最高裁が「同性同士の性行為禁止に対し違憲判断」をくだすという歴史的なイベントがあった。BBC)インドのLGBTコミュニティの人たちはもちろん、わたしの周りのストレートの友人たちもインドという国にとって前向きなニュースと喜んでいる人が多くいた。


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もっともっと仕事じゃなくて旅行で行きたい国です、インド。
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インドには各地にまつわる歴史・文化や地産物があって奥深い