グリーンカード抽選プログラム

今日はアメリカの中間選挙、衝撃が走った(少なくとも私の周りでは大きなショックだった)2016年の選挙からちょうど2年です。朝から同僚たちはそれぞれの投票所での体験話で持ちきりでした。

私を含む外国人たちはその騒ぎを眺めつつ、10時間以内には結果が出るであろう重要なこの選挙の報道をテレビで・オンラインで追っています。

そんな今日は、今年のDiversity Visa (DV) Programの応募の締切日でもありました。今日はそれについて。選挙速報番組を聞きながら。

Diversity Visa Program、グリーンカード抽選プログラム

Diversity Visa (DV) Programという名で知られているこのプログラム。抽選に当たるとアメリカの永住権(移民ビザ)を得る切符を手に入ることができるものです。毎年5万人の人(とその家族)にビザが付与されます。

ここ近年は毎年秋に受付が始まり、翌年の5月には結果が分かるという流れになっていて、基本的に応募条件を満たしている人は世界中どこに住んでいたとしても応募ができる制度です。もちろん東京に現時点で住んでいる日本人も。

今年のエントリー受付は10月3日から始まりました。私は2015年から毎年申し込みをしていますが、毎回ハズレてます。


応募条件は以下のようにとってもシンプル。
  • 国籍(本来アメリカという国に住んでいる人たちの多様性を豊かにするために作られた仕組みなので、すでにアメリカに多くの移民を送っている国は対象外になっています)
    • 中国、バングラデッシュ、カナダ、インド、フィリピン、メキシコ、イギリス、韓国、ベトナムなど
  • 学歴(確か高卒以上が必要だったと思います)
  • 顔写真一枚(写真規定は厳しいので要注意)
応募は無料。英語にハードルを感じず、かつ顔写真のデジタルファイルが手元にあれば多分5分くらいで応募完了できるシンプルなもの。
応募と結果確認はhttps://dvlottery.state.gov/から


何人が応募しているのか、日本国籍の人の当選確率は

その5万という枠に対してどのくらいの人たちが希望を託しているか・・・今回改めて政府のサイトに掲載されていたデータを整理してみました。以下の青いグラフが応募者数の推移。

実際に抽選から選ばれる数は過去の数字をみていると毎年10万前後のようです。「選ばれる確率」(永住権を取得する確率ではなく)は全体の1%前後ですね。なぜ永住権を取得する確率ではないかというと、データをみると、その半分くらいしか結局ビザ取得していないから。選ばれた人全員が申請するわけでないのか、または申請しても何らかの不備でビザが降りない人もいるからなのか、詳細はちょっとわかりません。


そんな中、日本人の応募状況はどんな感じかというと。大体毎年3万人弱で推移しているようで、そこには大きな変化はありませんでした。

そこから選ばれる日本人の数。若干の波がありますが、以下の緑の棒グラフにまとめました。%は応募者数で割った割合です。以下には含まれていませんが、一部のサイトによるとDV 2019で選ばれた日本人は376人とあったので、直近少し絶対数が回復していることになります。



確率は全世界と同じ1%前後。宝くじよりは現実味がある数字です。

一方で、トランプ政権下でこの制度そのものが廃止される恐れがある、という話も出てきています。


トランプ大統領の方針

中間選挙の直前まで色々と過激な発言を繰り返していたトランプ大統領。移民政策を厳しくしていくという姿勢は2016年の選挙活動の時から変わっていませんが、直近も選挙を意識してか、様々な駆け込みアピールを叫ばれていました。

以前書いたようにすでに移民政策においては色々な波紋を呼んでいる大統領ですが(「2018年の秋、トランプ政権下でビザ問題に想いを馳せる」

他にも、アメリカでの就労ビザ(私が持っているH1Bとか特に)を入手したり更新することを難しくさせようとしたり、
アメリカ国内で生まれた子供に自動的にアメリカ国籍を付与するという憲法で定められている部分('birthright citizenship'と呼ばれています)にもメスをいれるぞという強気の発言をする状態(これはおそらく実現しないですが)。
もちろん毎年5万人もの人にアメリカ行きの切符をあげてきたこのグリーンカード抽選プログラムも彼が気に入らないものの一つです。

上のbirthright citizenshipほどではなくとも、この抽選プログラムを廃止するのは容易ではないとは思うのですが、なおさら今夜民主党が下院を奪回してくれると色々と短期的には安心かな、というところです。