人気が急上昇したBear Brookを聴きながら

先日、私の同僚・元同僚を含むグループチャットに仲間の一人からとあるリクエストがありました。「新しいポッドキャスト番組募集中。オススメがあったら教えて!」と。

そのグループのほぼ全員はポッドキャストのヘビーユーザー。過去5年の間に私も彼らの影響を受けてポッドキャストを聴くのが大好きになったくらいです(過去エントリー:「ポッドキャストで耳から情報収集」

同僚が勧めていた一つのPodcast

さすがのヘビーユーザー達。瞬く間にwhatappのチャット上に30以上のポッドキャスト番組が共有されていきました。その中にあったのが「Bear Brook」。私は初耳だったのですが紹介してくれた彼女以外の何人かもその番組の存在を知っていました。

今年の8月に始まったこの番組は実際に起きた殺人事件(未解決、舞台はニューハンプシャー州)を元にしたサスペンス系ドキュメンタリーもの。4年前にこのブログでも書いた「Serial」と似ているタイプの番組です。

Serial以降、似たような番組が増え、かつ、Netflix上でも似たような番組も増えていたので結構お腹いっぱいになっていた私は最初はスルーしていました。ところが、この週末、体調不良で家にこもることになってしまい、Netflixや中間選挙前の様々なPodcast番組も聞きすぎて暇になり、このBear Brookという番組を聴き始めることにしました。

人を惹きつけるストーリーテリング

最初のエピソードを聴き始めてから3時間ちょっと。Serialにハマった時と同じように、あっという間に今のところ出ているエピソードを全てbinge listeningしてしまいました。

Twitter @bearbrookpodを見ると、フォロワー数はまだ1000人未満。ラジオ局の大手が制作していたSerial(@serialのフォロワー数は30万以上)との違いを感じさせられます。でもそこでRTされているリスナーの評判はなかなか良い様子。

私もこれはストーリーテリングが上手くできている番組として人に勧めてしまうな、と思っています。(一瞬iTunesのランキングで4位になったみたいですが、11月前半には下の方に収まっています)

ストーリー・物語のパワー

そこで思い出したのは最近読んだ二つの記事。
  • 一つはEdTech系の業界情報発信で有名なEdSurgeから。

    How to Shake the Blended Learning Blues」というこの記事ではBlended Learning(アナログ [本など]とデジタル[パソコンなど]の両方を混ぜた手法で学生に授業を届けるアプローチ)を実践していた学校の先生の体験とそこからの気づきが共有されていました。簡単にまとめると、オンラインで検索できる時事問題が取り上げられている記事ではなく、文学作品・登場人物のいる物語を使った方が学生たちの授業への姿勢やディスカッションの中身がよかったという話。ストーリーのパワー。

    "The amazing thing about storytelling is it provides something no other medium can—the opportunity to experience the truth of another person’s existence. By reading a story, we are able to experience someone else’s life: their struggles, joys, victories, and defeats. We are able to imagine what our lives would be like if we were the characters we read about. And because of that, literature also teaches us one of the most fundamental, necessary human values—empathy.(中略)Literature teaches us the truth of what it means to be an individual and how we, as individuals, fit into the collective whole of mankind and history. "- 記事より抜粋
  • もう一つは上司の個人ブログの記事。タイトルは「Seven Words」

    ここでいう七つの単語は「I'm going to tell you a story」なのですが、日本語だとどう訳したらいいか少し悩みました。「私の体験談なのですが・・」「一つ例え話をしてもいいですか・・」「聞いてほしいエピソードがあるのです・・」といった感じでしょうか。この記事で彼はストーリーを使ってメッセージを届けることのパワーを以下のようにまとめています。

    "The reminder here is: we want to listen to stories.
    They keep us engaged.
    They have a beginning, a middle and an end.
    This makes them easy to remember – both their content and the lessons they contain."- 記事より抜粋
Podcastを聴くという形であっても、書籍を読むという形であっても、ストーリーには、その内容に我々を深くengage(内容に惹きつけられる・想像力をかきたてられる) させる力があるのだなぁ、と思わされる瞬間でした。

最近一時帰国中にいただいたフィクション小説もいくつか一気読みをしたばかりで、もう少し「ストーリー・物語」に触れる時間を日々に取り入れていきたいと思います。

Bear BrookはiTuneでもSpotifyでもダウンロード可能。ホームページはこちら


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