「今のパートナーのどんなとこがいいの?」

先週、ニューヨークのオフィスで一緒に働いていた同僚がデンマークに引っ越していった。パートナーの転職をきっかけに起きた今回の移動。彼女は今の会社との契約を正社員から契約・パートタイムに切り替えていった。

そんな彼女にランチの時に「今のパートナーのどんなとこがいいの?」といきなり聞かれた。そういえば久しくそんなことを聞かれたことない。

なかなか強烈な印象を残したこの問いをその後ふとした時に何度か考えてみた。今のパートナーのどういうところが自分にとって重要で・魅力的で今一緒にいる理由はなんだろう。

そして面白いことに、あの日をきっかけに複数の人に似たような質問をされることが続いた。だからいつか振り返る時用にここに記録しておこうと思う。

2018年12月時点で思っていることを。今のパートナーの評価ポイント。

ポイント① 成長志向、オープンなマインド、素直さ

冒頭に書いた同僚に言われて一番最初に思い浮かんだ単語はgrowth mindsetだった。言っていて彼女と一緒に笑ってしまったのだけれど(教育に関わっている人が言うと職業病っぽい)その後数日経ってからも、いや、これは重要な要素だ、と確信したので、これを一番に。growth mindsetとは「自分は変われる」という物事の捉え方で「自分はxxだからこれは無理」という考え方の逆にある。今のパートナーは自分とは全く違うスタイルで「成長」をするタイプ。今まで3年ほど彼の軌跡を見ているけれど、飽きない。これからもきっと私が想像もしてないような方法で、どっかへ向かっていくのではないかという期待もさせてくれる。頑張ってねと思う一方で私もボンヤリ停滞しないようにしなければと思わされる。

ポイント② 笑いの相性

些細なことでも笑いあえる、日々笑いが絶えない関係というのは大切な気がする。失敗を笑いに変えたり、落ち込んだ気持ちを明るくさせ合えたり、価値観や様々な違いを「そんなもんか、変なの、ぷっ」と相手の気持ちを傷つけずに笑い合えたりするための相性ってある気がする。あとは最近はユーモアというものはある程度の知性がないと持つことができない、とも思うようになり「笑いの相性」の裏には「似たレンジの知性レベル」みたいのもあるのかもしれないとも考えるように。

ポイント③ 人の痛みへの感度

何らかの理由で立場が相対的に不利な環境にいる人、陥ってしまっている人、そういう人たちへの想像力の豊かさ。また感じ取ったその感覚を自分の行動へつなげるための「回路」の存在。私はこういうのが豊かな人に魅力を感じる。パートナーでも親しい友人でも。こういったものはどうやって身につけるものなのか自分はまだよくわからないけれど、辛かった自己体験や苦労の存在がその人の他人への想像力を豊かにすることが多きいような気はしている。あと、想像力があっても後先考えずに、または周りの人がどう思うかとかを考えずにその対象者に向かっていく行動力は誰もが発揮できるわけじゃない。だから、そういうことが一足先にできる人はやっぱりすごいな、と思う。

ポイント④ 幅広いジャンルへの対応・好奇心

成長志向に少し重なるポイントもあるこの4つ目のポイント。要は色々なジャンルについて話を投げても反応が戻ってくる人がいい、そして私が知らないジャンルについて新しい刺激を投げてほしい。そう意味では私と今のパートナーはベン図のような感じになっていて、交差する部分がビジネス、政治、社会的責任・社会課題、UXデザインを含むデザイン全般、料理番組・HGTV・TVドラマ、小動物・かわいいもの。交差しない部分で私は教育学・リーダー育成・日本のこと・投資とかがあって、向こうにはファッション・音楽・スポーツ・アメリカ・ゲームのこととかがある。ポイントはベン図の交差するところ。だからSupremeにカーライルグループが出資した時とかは二人とも話したいことがある、みたいな。

ポイント⑤ シンプルなフィードバックループ

色々わかりやすい人とはフィードバックループが回しやすい。あ、今、素直に意見を聞いてくれている、とか。あ、今送った記事スルーしたね(そこまで興味がなかったかぁ)、とか。あ、これせっかく作ったのに食わず嫌いでやっぱり食べないんだ、とか。あ、今ここでやる気出しているところだ、とか。私に対するフィードバックとか思っていることもすぐ言ってるから何を感じているかとかどういうことが嬉しいとか嫌だとかもわかりやすい。ポイント①の成長志向にも関わるけれども、相手の状況もわかりやすく、こちらにもシンプルなメッセージがタイムリーに飛んでくる。「共に成長する」という関係の土台としてはありがたい。


あとはボーナスポイントの以下の二つ。
  • 私の記憶力が絶望的に悪いことを補うかのように彼は記憶力がとてもよいというところ
  • 「不確定な状況を許容することができる」という強みを持っているところ。これは不確定な状況をできる限り最小限に抑えることができるように予定・戦略を立てたりプロジェクトマネージメントを得意分野にもつ自分と良いバランス。この「tolerance to ambiguity」というのは人生全般で本当強い。プロマネができない事態の方が人生では多いから。自分はそこが成長課題だから良くハッとさせられる。ドリームジョブ(今の仕事)を見つける前は7-8ヶ月無職で無給インターンをしながら職探しをしていた彼。自分だったらそんな長い間転職活動を頑張れる自信が全くない。それ以外にも彼の大学入学時からのエピソードは自分が今まで聞いたことないようなものばかり。

とまあ、こんな感じで私は書いたけれど、相手は絶対こんなロジカルに整理しないんだろうな。

どんな感じで言ってくるか気になるから今度相手にも答えてもらおう、この問いに。 そんなの面倒だよ、とスルーされる気もしないでもないけれど。

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