インプットの日々は続く。
グロービスでは定期的に「知の創造勉強会」というものがランチタイムに実施されていました。お弁当持ち込みで外部のプロフェッショナルの方をお呼びし、知的刺激を得る+ダイアローグするというもの。
Acumenでは「Brown Bag Lunch」という呼び方をされている全く同じタイプの集まりがあります。最近Brown Bagが続いていて、昨年のパキスタンフェローの起業家(手作り革製品をグローバル販売しているHOMETOWNを立ち上げています)の翌日のBrown BagはAcumenのボードメンバーの一人であるMayer氏でした。今はプライベートエクイティのパートナーのようですが、複数のビジネススクールや大学の学長を務めた経験や今のクレディスイスの元となる投資銀行のCEOを務めたことがあり、と経歴を全部読むだけでも少し時間がかかるようなお方です。
その方が話してくれた「リーダーシップ」についての考えが興味深かったのでメモ。
たまに留学とか海外赴任とかの、人に与える影響という話がありますが、ちょっと関連している気がします。業界を超えた転職とか起業とかも入るかもしれませんね。5-13歳というレンジで考えると転校とか親の転勤とか、新しい習い事で学校とは別の子ども達に囲まれる体験をするとか、田舎の親戚の家にしばらく滞在する経験とか・・・。
それとは少し離れて、Mayer氏はリーダーに求められることで最も重要な事の一つは「自己理解」である、という持論を何度も強調していました。具体的には「自分は何者か」「自分は何故今やっていることをやっているのか」「自分はどうしてこういう考え方をするようになったか」といった問いに向き合うということ。特にどうなって今の自分は今の自分なのか、という部分は当日何度も強調されていたポイント。
つまりどういった今までの経験が今の自分の考え方/信念/性格を形成しているか、という視点を常に意識して持つべき、と。自分のそういったコアの部分を「形成」する経験、彼はそれらをformative experienceと呼んでいました。(教育の現場でもアセスメントの一種であるformative assessmentと似た使い方ですね)
リーダーと言われる人達にとっての重要なformative experienceの多くは「自らなんとかしなくてはいけなかったもの」が多いと。彼の調査によるとリーダー達は皆何らかの形の「自らなんとかしなくてはいけない状況」に置かれた経験を何度もしていた・・・と。そのような濃いformative experienceが彼らリーダーの「the reason why I think the way I do」形成に貢献していると。
また、Mayer氏はMalcom Gladwell (ジャーナリスト)の本「Outliers」で引用されていた「一流になるためには10000時間の訓練が必要」という話に触れながら「なんとかしなくてはいけない力」もそうやって訓練されるものだ、と言いました。
最近はMayer氏はリーダーは皆formative experienceを持っている、という部分ではなく、「『figure it out』しなくてはいけない体験をしたにも関わらずリーダー(他者を率いる系の)にならなかった」人達はなぜopt out(脱退/離脱/手を引く/断る)するのか、ということが気になっているらしいです。それもなかなか気になるテーマと感じます。
しかも印象的だったのは彼が「それはそれで全然いいと思うんだけれど」と言っていたこと。つまり誰もがリーダー(他者を率いる系の)にならなくていい、というメッセージだったように記憶する。別の場所で(別途エントリ-で書きます)フォロワーがいなくても発揮できるリーダーシップの話もあったので、リーダーシップ/リーダーの定義はその話されている文脈それぞれで異なるものだな、と改めて思ったりもしました。
・組織のリーダーが20人を採用したら、気を使わなくてはいけないのはその中に5人は紛れていると思われている「ミスマッチ(※決して能力の問題でなく相性の問題)」の存在がどこかを見極めるのが仕事である
・リーダーの使命は会議に参加した時に浮動票の1/3を自分の味方にすることである(前提として1/3は自分に無条件で賛同してくれる派で、1/3は自分に反対する人達だと考えればいい)
・自分のギフト(スキルセット)を見つけるというのは大切なこと、多くの場合他人に助けてもらって気付くものである
・参考図書「What Color Is Your Parachute?」(自己分析用)
関連エントリ-:ストレングスリーダーシップ~自分の伸ばすべき強み
グロービスでは定期的に「知の創造勉強会」というものがランチタイムに実施されていました。お弁当持ち込みで外部のプロフェッショナルの方をお呼びし、知的刺激を得る+ダイアローグするというもの。
Acumenでは「Brown Bag Lunch」という呼び方をされている全く同じタイプの集まりがあります。最近Brown Bagが続いていて、昨年のパキスタンフェローの起業家(手作り革製品をグローバル販売しているHOMETOWNを立ち上げています)の翌日のBrown BagはAcumenのボードメンバーの一人であるMayer氏でした。今はプライベートエクイティのパートナーのようですが、複数のビジネススクールや大学の学長を務めた経験や今のクレディスイスの元となる投資銀行のCEOを務めたことがあり、と経歴を全部読むだけでも少し時間がかかるようなお方です。
その方が話してくれた「リーダーシップ」についての考えが興味深かったのでメモ。
「自らなんとかする力」
彼が最も重要だと考えているスキルは「Figure it outする力」とのこと。日本語で訳すとすると「自らなんとかする力」でしょうか。5-13歳くらいの間にその力を鍛える体験を与えることが重要と。その乗り越えなくてはいけない山は小さくてもいい、とにかく新しい環境(彼は「ジャングル」という比喩を使っていましたが)、「なんとかしなくてはいけない」という状況に放り投げることが効果的だと。たまに留学とか海外赴任とかの、人に与える影響という話がありますが、ちょっと関連している気がします。業界を超えた転職とか起業とかも入るかもしれませんね。5-13歳というレンジで考えると転校とか親の転勤とか、新しい習い事で学校とは別の子ども達に囲まれる体験をするとか、田舎の親戚の家にしばらく滞在する経験とか・・・。
それとは少し離れて、Mayer氏はリーダーに求められることで最も重要な事の一つは「自己理解」である、という持論を何度も強調していました。具体的には「自分は何者か」「自分は何故今やっていることをやっているのか」「自分はどうしてこういう考え方をするようになったか」といった問いに向き合うということ。特にどうなって今の自分は今の自分なのか、という部分は当日何度も強調されていたポイント。
つまりどういった今までの経験が今の自分の考え方/信念/性格を形成しているか、という視点を常に意識して持つべき、と。自分のそういったコアの部分を「形成」する経験、彼はそれらをformative experienceと呼んでいました。(教育の現場でもアセスメントの一種であるformative assessmentと似た使い方ですね)
リーダーと言われる人達にとっての重要なformative experienceの多くは「自らなんとかしなくてはいけなかったもの」が多いと。彼の調査によるとリーダー達は皆何らかの形の「自らなんとかしなくてはいけない状況」に置かれた経験を何度もしていた・・・と。そのような濃いformative experienceが彼らリーダーの「the reason why I think the way I do」形成に貢献していると。
また、Mayer氏はMalcom Gladwell (ジャーナリスト)の本「Outliers」で引用されていた「一流になるためには10000時間の訓練が必要」という話に触れながら「なんとかしなくてはいけない力」もそうやって訓練されるものだ、と言いました。
最近はMayer氏はリーダーは皆formative experienceを持っている、という部分ではなく、「『figure it out』しなくてはいけない体験をしたにも関わらずリーダー(他者を率いる系の)にならなかった」人達はなぜopt out(脱退/離脱/手を引く/断る)するのか、ということが気になっているらしいです。それもなかなか気になるテーマと感じます。
しかも印象的だったのは彼が「それはそれで全然いいと思うんだけれど」と言っていたこと。つまり誰もがリーダー(他者を率いる系の)にならなくていい、というメッセージだったように記憶する。別の場所で(別途エントリ-で書きます)フォロワーがいなくても発揮できるリーダーシップの話もあったので、リーダーシップ/リーダーの定義はその話されている文脈それぞれで異なるものだな、と改めて思ったりもしました。
他にもいくつかバラバラと印象的だったこと
・子ども達が「自らなんとかする力」を身につけようとしているときに一番注意しなくてはいけないのは「helicopter parents」(過保護な親)。子ども達にとっての貴重な機会を奪わないように・組織のリーダーが20人を採用したら、気を使わなくてはいけないのはその中に5人は紛れていると思われている「ミスマッチ(※決して能力の問題でなく相性の問題)」の存在がどこかを見極めるのが仕事である
・リーダーの使命は会議に参加した時に浮動票の1/3を自分の味方にすることである(前提として1/3は自分に無条件で賛同してくれる派で、1/3は自分に反対する人達だと考えればいい)
・自分のギフト(スキルセット)を見つけるというのは大切なこと、多くの場合他人に助けてもらって気付くものである
・参考図書「What Color Is Your Parachute?」(自己分析用)
以上、特に「So what」はないのですが、人生の大ベテランの方に学んだこと。忘れないようにメモしておきました。
関連エントリ-:ストレングスリーダーシップ~自分の伸ばすべき強み