春学期Course Shopping Day#2

ちょうど1週間ブログがアップデートできなかった・・・
冬休みでエネルギーを充電して舞い戻ってきた学生達を待ち構えていたように
(冬学期密度濃い授業をみっちりやっていたメンバーも数日の「time to breath」
 休息期間があったため、ある程度エネルギーは充電された状態)
エネルギー前開モードの春学期が始まっています。

前回はその春学期の履修クラスを決めるためのCourse Shopping
話でした。Course Shoppingは教育学部では2日間かけて実施されていて、
私は初日に9クラス分Shoppingしていたのでした。

1年しかないプログラムでその半分以上が過ぎてしまった状態なので
皆春学期の履修科目の組み合わせには色々な意味で超真剣。
一番リラックスしているのが卒業後母国に帰ることが決まっている
国から派遣されている仲間達だろうか。

他には
・1年後に博士課程進学を意識しているためにそのための
 教授との関係づくり、研究テーマの布石打ち、受験に必要な授業、
 有利になる授業を選ぶために一生懸命な子達
・卒業後就職を意識(ただいくつかのオプションを想定)しているため
 どういうものを習得、経験(結構授業の他にこれが大きい)する
 必要があるか、就職活動時のResumeのイメージを意識しながら
 春学期の組み立てに一生懸命な子達
大きく分けてこんな感じ。

HGSEに来てみて、留学前に思っていたプランを修正することにした
友達もいれば、思っていたのと全く違う方向への転換を考え始めている友達も
いたり(といっても今までの経験をまったく無駄にするわけではなく、
活用の方向性を変えるという工夫を凝らす)
「ポートフォリオ」を着々と作成していてデザイナーなり
起業の道へすぐ行ける準備を進めている友達もいる。

HGSE全体がどうなのかは分からないけれども少なくても
TIEのメンバーは元々が多様な経験を経てやってきている人も多いので
(現役の医者が1人、元医者が1人いる・・・これには驚いた)きっと
皆の進路も千差万別になるのだろうと感じる。

・・・と前置きは置いておいて
一応2日目にショッピングした授業の備忘メモ。2日目は5クラスを吟味。

Analyzing Culture: Dialogue, Discourse, and Theme
 教授:Helen Haste(昨年の教育とITの授業でCivic Engagementの
      テーマのときにゲストとして来てくれていた方)
 ポイント:博士課程の人が多く取るらしく、負担があまりにも
      多そうだったので優先順位的に却下・・
      とはいえ、授業のテーマはとても興味深いものだった
      社会の変化→個人のアイディンティの変化→個人はそれを
      どう受け入れるのか・・
      社会レベルで起きている対話+個人間で起きている対話
      +個人が周りで起きていることに対して主体的に行っている意味付け
      この三角関係がどう働いているか、といったことについて
      学ぶらしい。
      特にこでの「対話」は言葉を使わない形のものこそ奥深いらしく
      教材には映画を含む動画や記号などが多用されていて、
      Shopping中にもちょっとした体験学習をした。
      イギリス人の先生で欧米間の違いなどは精通しているようだったけど
      はたして東洋のことはどのくらい詳しいのか確認できず。

Engagement and Learning: Technologies That Invite and Immerse
 教授:Chris Dede(去年の教育とITの授業の先生でもあり、私の
    アカデミックアドバイザー。この分野では権威の一人であるにも
    関わらず非常に親身になってくれるとても素敵な人)
 ポイント:最近の教育ツールはいかにユーザーのエンゲージメントを
      高めるかに注目したものが多い。ゲームなどはその典型。
      でも考えなくてはいけないのは
      Does increasing engagement automatically lead to learning?
      ユーザーが夢中になるものが全て学びを深めるとは限らない。
      このクラスではEngagementに限らずモチベーションやフロー
      楽しさや粘り強さ、そういった要素について考える。
      TEDでの「ゲームがいかに学びを届けるツールとして有効か」の
      トークを聞きながら、「このトークの中で何が正しい意見で
      何が危険な意見か、見極められるか?」という問いを投げたDede教授。

Educational Technology: Advanced Design Studio
 教授(客員教授):David Kahle(情報の可視化に特化、
           本業は近所のTufts大学、元々HGSEの卒業生、そのあと
          MITやハーバードデザインスクール→政策関係にも経験あり)
          超「ビジネスマン」オーラのあるデザインセンスの高い教授
 ポイント:「デザイン」学といってもいいくらいデザインについて
      多面的に学び、最終的にプロダクトを創る、というグループプロジェクトを
      中心に進めるクラス。

Designing and Producing Media for Learning
 教授:Joe Blatt教授(このブログに頻出度高の教授、笑。冬学期の
    Informal Learning for Childrenも教えてくださった方。カリキュラムの
    デザインとデリバリーの際のきめ細かい気配りの度合いが半端ない)
 ポイント:冬学期は対象が小中高生、学びの場がInformal(つまり学校の外)という
      枠が決まっていたけれども(私のグループは小学2年生対象携帯アプリ)
      今回は対象もメディアの種類(デジタルじゃなくてもいい)も
      想定使用場所も制限ない個人プロジェクトになる。
      人数も15人〜20人前後ということで密度濃いクラスとなる。

Teacher Learning and Technology
 教授:Karen Brennan教授(Shopping初日にも登場した、インターン時
    私がお世話になった方)
 ポイント:テクノロジーの台頭によって学びの場づくりがどう影響されるか、
      これからの先生のあり方は?生徒のあり方は?について。
      ④のJoeのクラスと同じ時間帯なので両方とれないのが残念。

結局Course Shopping Day 1とDay 2で収集した情報をトータルで見て、
かつ自分が行かなかったクラスの噂などを他の友達から聞いたり、
自分が行ったクラスの第一印象を他の友達とのディスカッションを通じて
確認し合い、さらに検討をすすめる。

最終的にどうしても判断ができない場合は全ての「検討中」の授業に
登録だけして、1週間目の授業に出席して、「Drop」締め切り(2月上旬)までに
答えを出す学生もいる。

授業の代わりにインターンをすることも可能だし、
ケネディスクール、ビジネススクール、MIT、FAS(Faculty of Art and Science
ハーバードの学部があるところ)の授業にも魅力的なものがあるので、
(そしてそれらはCourse Shoppingのスケジュールが違ったり授業の開始日時が
違う週だったり)とりあえず学生は一人一人それぞれ自分にとってのベストを
組み立てようとこの時期は真剣だ。

道で友達と遭遇しても大体の会話がどのクラスを取ることにしたか、
どこを検討したか、なぜそれを取る/取らないのか・・・

同じ会話をきっと50回はした気がする、笑
でもこういった仲間の間での情報交換や意見交換が思いがけないヒントに
つながることが多いのでとても重要な気がする。