プログラミング教育・・自ら創ることを学ぶ体験

以前に何度かこのブログでも書いていた
「21世紀型教育においてプログラミング教育の重要性は増して行くらしい」的な話。

なんとなく1年半前くらいからそれを自分も肌感覚で感じてはいたものの
最近その「reminder」パンチを今まで以上に感じることが続いています。

過去ブログ:
・エストニアでプログラミング教育を初等教育で義務化した話
・子供向け(大人ももちろん使えますが)プログラミングツールScratchについて
Scratchチームでのインターンについて
・STEM教育への注力&プログラミング教育について
以上何度かプログラミングという単語をちりばめたエントリーを
書きましたが、年初来過去1ヶ月の間に改めてhypeが高まっている気がします。

そのhypeの中心となっていたのは最近インターネットでシェアされ続けていた
code.orgの動画だと思います。FacebookのMark ZuckerbergとMicrosoftのBill Gatesの
登場があるので最初から目立つのですが、他の参加者もかなり豪勢です。

彼ら全員のプログラミング教育に対するメッセージQuoteはこちら
見ることができます。プログラミングとは何か、それを習得することで
切り拓かれる可能性や重要性について話しています。




Code.orgの「Start Learning Now」のにある4つのタブはそれぞれ
ScratchとCodecademyとKhan AcademyとCodeHSと記載。(最後のは知らなかった)
また「More Apps to Teach Kids」のところでは
RoboLogicとLightBotとCargoBotとMove the TurtleとKoduとKidsRubyが
紹介されている。全部知らなかった&最初の2つは4歳からとあるから驚き・・・・。

自分は「子供xプログラミング=自ら創る体験」と理解しているつもりで
その枠組みで自分の幼少期を振り返って思い出すと「プログラミング」の代わりを
担っていたツール、それなりに色々あったなぁと思い出します。
・小学校の数年間イギリスでアメリカンスクールに行っていた時に
 ESL (english as a second language)のクラスで使わせてもらったKid Pix
(だったような)というソフト。スタンプを使いながら自分で好きなように
 お絵描きをして、ストーリーブックを作成してました
・SimCityでは都市をつくってみたり、
・積み木、レゴ、カラフル粘土などでも遊びました



・平面だけど磁石の原理?を活用したお絵描きボード(下)も
 結構好きだった気がします


・そして先日ブログに書いたニキーチンの積み木もありました



では別にプログラミングなんて習得しなくても色々今まであったやりかたで
「自ら創る体験」を積めばいいのでしょ、っていう話になるかもしれないですが
答えは残念ながら「否」だと思います。これって多分子供に限った話ではなく、
今後「job market」入りする若い人&今後キャリアをどんどん積み重ねていく
フェーズにある働き盛りの人にもとても重要なスキルになると思われるのです。
少なくとも私は個人的に(まだプログラミングのプの字もマスターしていない
自分ですが)そう感じています。

一番分かりやすいWHYは(でも行動に必ずしもつながるかは不明ですが)
・これからの社会で働くためにより一層必要になると思われるから、説
上記code.orgの「統計データ」にある今後2020年までの間に
必要とされる仕事に対する人材需給ギャップの見通しグラフ。
一言でいうと必要とされるであろうポジションに対し人材不足+その拡大が
予想される、という内容のもの。

世界各国が頭を悩ましている失業率の(特に若い世代の)高さ。
受け入れる側の雇用者はその裏側で「欲しい人材がいない・こない」という
悩みを抱えているのが現状であったりします。つまりある程度の生活水準を
担保できる仕事に就く為には企業側が欲しいと思っている人材になっていく
ことがこれからの子供&今の若者&今の働き盛りの人には今まで以上に
求められる世界になってきています。

このtalent gapの存在が教育の世界に色々な形でプレッシャーをかけていて
(もちろん教育は就業の支度をするためのものではないはずなのですが)
21世紀の社会のためにはどのような教育を提供すべきか、という議論に
feed inしている、というのが教育の世界からみた世界の状況です。
innovative thinking, creative thinking,collaboration, communication, 
civic education, environmental literacyなどは全てそんな背景で教育の世界にやってきた
論点だと感じます。

でも個人的によりやる気がわきやすいWHYは
(でもこれを体感するには最初の一歩が大切):

・個人の持っているアイディアの表現方法が従来比無限に広がるということ
(アイディアを表現するときに媒体に制限される部分が従来よりも圧倒的に
 小さくなる)、とはいえ制約もあるのでその制約下で思い通りにできたときの
 達成感も大きい、色々と考えさせられるプロセスにも学びが大きい・・・
・自分のアイディア→表現に対して瞬時に自分(試してみる&見てみることで)や
 世界中の人からフィードバックを得ることが可能になる→アイディア改善
 →more engagementというポジティブなサイクルが生まれる・・・
・上記を繰り返し経験する人と経験していない人の間で
「見えてくる世界の広さ」「経験の多さ」「自己肯定感」に差が生まれてくる、説
勝手な自分の仮説ですが、こういう可能性のカケラを見せられるだけで
やる気になる可能性が高まる人もいるのではないかなと思ったりしています。

とはいえプログラミング教育に対して、ご自身&自分の子ども達が
どうするか、どうしたいかは結局人それぞれです。

変化のスピードの捉え方の違い、それを自分事として捉えるかどうかの選択、
そして取り得る行動の選択。自分が変化が来る前に対応したい派
なのか、変化の兆しが目前に迫ってから行動したい派なのか、変化しなくては
いけなくなったときに流れに身を任せたい派なのか。・・・色々な人がいるのは
当たり前で、例えばスマホをはじめとするタブレット文化だってtwitterやfacebookを
はじめとするソーシャルネットワーク文化だって、参加の度合い・有益度を感じる
度合いは人それぞれです。

私はJack Welchの''Change before you have to"という考え方が好きな人間であり、
かつ教育に携わる人間なので、こういう動きが出てくるとソワソワしてしまい
「やっぱりやらなきゃ」という気分に改めてなってきたわけですが、
似たようなマインドの人がまず似た者同士でちょこちょこ取り組んでいけば
いいかな、と思ったりしています。

前書いたブログにも書きましたが日本語で学ぶなら「ドットインストール」が
続けやすいです!


参考資料:
MindShiftによる「Should Kids Learn to Code in Grade School?」(9月26日)
ソーシャルカンパニーの市川さんがNAVERまとめを作成してくださっています!
「プログラミング学習・教育に役立つ関連サービス・記事・情報源(β版)」


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おまけ:

世の中の変化のスピードを体感できる有名な動画を共有です。
元々アメリカの高校の教員が職員会議用に作成した資料が始まりなので
ややアメリカ人の視点よりの内容です。

Facebookの伸びが鈍化(というか減少?)している不思議な国日本なので
全てのトレンドが当てはまるとは限りませんが、日本以外の世界との
関わりを持とうと思っている人には重要な示唆があるかと。