女性と起業家精神と

SECON(Harvard Social Enterprise Conference)からあっという間に半月。あのときの体験でまだ書きたいな、と思ってることがあって、今日はそれを書いてみます。

ざっくり
①Women Entrepreneurshipをテーマにしたセッションで聞いたこと
②女性とSocial Entrepreneurというつながりについて
③日本の女性について

リーダー達からのアドバイス

参加したセッションのタイトルは"The Virtuous Cycle of Women Empowerment and Entrepreneurship"。意訳すると「女性のエンパワーメントと起業家精神、それらのシナジー効果」といったところ(直訳するとシナジーではなくて「正のスパイラル」だけれども)

HBSの女性教授がファシリテーター、スピーカーは4名。Kamal Ahmad, Founder, Asian University for Women(男性)、Rahilla Zafar, Co-author of Arab "Women Rising: 35 Entrepreneurs Making a Difference in the Arab World"(女性)、Renata Mutis Black, Founder and Executive Director, Seven Foundation(女性)、Rama Chakaki, Founder, Barakabits.com//Partner-Communications Strategy of Baraka Advisors (女性)

正直セッションはタイトル負けしていたところがあって、タイトルに惹かれて行った割にはそこまで「シナジー効果」についてのコメントを聞くことはできなかった。でも収穫はちゃんとあった。

セッション一つ目の質問
「起業家として成功するために必要なスキルは何だと思いますか?」

各パネリストからのコメント
「早起きの習慣を身につけること」「自分のインパクトを測ること」「unwavering(確固とした)self beliefをもつこと」「tenacity(粘り強さ)」「失敗(する機会)を感謝する気持ち」「大胆不敵になれ(be fearless/bold)」「説得力」「perseverance(忍耐力)」「be tech savvy and learn to use tools effectively」(←やりたいこと、やらなくてはいけないことがいっぱいの女性には特に重要な話)

その中でも特に印象的だった二つ:①「Unwavering self belief but also overcome your own aspirational barriers if you have any」(自分で心理的に「天井」を作っている場合はそれを自ら乗り越える必要がある)②「Knowing how to choose your stage in life - do not try to package it all in once, you can do it all but doesn't have to be at once」(仕事も結婚生活も育児も遊びも・・・全部手に入れられることはできるけれど全て同時には無理なのだから自分の人生のステージは今どこかを知ること)

具体的な仕事を進める上でのアドバイスも納得の内容:「Always talk to the top regardless of how young you are」、「Have be able to sell」 (自分のアイディアなり売ろうとしている商品なり何が対象でも、誰に対してもその価値を伝えて「営業」できるようにならなくてはいけない)・・・・・過度に気を張る必要はないけれど独立した個として話をまともに聞いてもらうなら、堂々と、相手の土俵で、ときには相手のルールに合わせメッセージ発信する必要があるな、と最近この点、個人的にも思うことが多い。

成功のために必要なこと:「Having great cause/passion and product is not enough. You need skills. You also need to be building contact (putting yourself out there/you are your own PR person) and you need luck.」とBlack さん。「パッション」「目的意識」「プロダクト」、やっぱそれだけじゃ足りない。リーダーとしてのスキルを磨き続ける必要性もあるし、人を継続的に巻き込んで行く人間力というか。どういう'contact をどのくらいbuildできているか。そして最後のLuckも結構重要。

「男性」といかにスムーズに働くか:「彼らについて三つのことを覚えておけば大丈夫」▷1) They want to feel needed, 2) They want to solve problems, 3) They want to see the results as a result of their contribution」、パネリストの一人が男性で、彼が「そうですね、我らはこんなもんです」と言ったので会場に笑いが、笑。(世の中の男性は「こんな単純ではない」と怒るかもしれないけれど) 

最後に、今年のSECONで個人的に最も印象的だった「Failure」というテーマの扱われ方:「Success is on the other side of failure, also on the other side of fear」「breakdown(失敗)to breakthrough(突破口)」に加え「(失敗体験は)Helps you find your purpose(目的を見つけ)、changing how you feel(物事の感じ方を変え)、allows you to see things(見えていなかったものが見えてきる)」だから「Learn to fail gracefully(潔く、優雅に)」と、とってもかっこ良く素敵なBlackさんは言い放っていた。

世界における「女性とSocial Entrepreneurship」

といったようにほとんどパネルの内容はタイトルにあまり関係していなかったのだけれど、質疑応答で「なぜ、女性の社会起業家が多いのだと思いますか?」という問いかけが。

パネリストの返答一つ目は「生まれながらmultitaskingスキルやempathy(共感する心)を持っている確率が高い」といったもの。ま、そうかもしれないね。

でももっと印象的だったのがもう一つの別の返答。それは「They disproportionately suffer compared to man that could drive the will to go into social entrepreneurship」といったもの。つまり置かれている境遇が男性に比べそもそも辛い状況であることが多いので強いdrive(意志)を抱きて変化を起こしていこうと立ち上がることにつながりやすいのでは、という仮説。あくまでも仮説だけれど、なかなか興味深い。

これを聞きながらUNESCOのカンファレンスに行ったときを思い出す。世界に読み書きができない7.7億人の人達。その3分の2が女性、というのはあの時に初めて知ったこと。

そんな事を思い出しながらセッション中サウジアラビアでは女性は車の運転が禁止されているといった話や、最近のMOOCの台頭でようやく家を出て大学に通うことが許されていない女性達も高等教育レベルの学習機会を得ることができたという話のこともふと思い出す。

日本では当たり前のようなことが世界では当たり前であることの方がむしろ少ない。

先月話題になっていたGoogle Glassのビデオ(テーマはDV、最後が結構衝撃的なので苦手な人はみないことをオススメする。。。)や、昨年6月のEconomist誌のViolence against womenのチャートも結構衝撃的。インドでは数年前から禁止は法律上されているけれど、そもそも産まれる前に女の子だというだけで中絶されることも普通にある・・・生まれ、生きることができたとしてもFGMを体験したり、人身売買の被害にあったり・・・

自分が育った日本。教育への機会は男女平等だし、恋愛や結婚に対する選択肢も比較的自由にある。女性だからと就かなくてはいけない仕事が決められている訳でもないし、公共の場で誰かに襲われるんじゃないかとビクビクすることもない。

産まれた場所、住んでいる場所が違うだけで本当にここまで違う「女性」を取り巻く環境。その中で最初から用意されている自分の外部環境に屈せず変化を起こそうと敢えて立ち上がる社会起業家/起業家達の「強いdrive」は一体どれほどか。このセッションのタイトルにあった「正のスパイラル」についてもっと知りたい。

日本の女性について

と、日本の女性についても書きたいなと思ったのだけれども、そもそも「日本の女性」とひとくくりできない、というのと自分はまだまだ日本人女性の社会起業家知り合いが少ないことに気付いた・・・なのでまた別の時に。

起業家ではないけれども自分の知っている日本人の女性達で「アントレプレナー的な人生を歩んでいる人達」は「自分がパッションを持ってワクワクできる生き方」and/or「家庭と仕事のバランスをしなやかに保ちながら輝き続ける生き方」が男性社会が用意している「箱」の中に見つからなかった、「箱」の中に抑えきれなかった、「箱」の中だとoptimalなパフォーマンスができなかったと判断した、といった人達が多いなーとは感じます。

それもある種の「最初から用意されている自分の外部環境」を飛び出すっていう行動。

「箱」じゃなくて何だったら良いのかなー。




緒方貞子さん、NHKスペシャル番組、NYの勉強会で
南場さんの「不格好経営」を読んで
UNESCO MLW2014で感じた「日本」or the lack of it


過去のエントリ-:SECON参加を受けて
カンファレンス参加時の4つの心得