「認定コーチ」の「認定」について

以前書いたように、今年からコーチングの勉強・実践を始めました。

次第にその分野に詳しくなってくると、その世界に存在する様々な団体や資格のことをもう少し知っておかないとな、と感じてきたので、今回改めて整理することにしました。

Photo by Debby Hudson on Unsplash
Photo by Debby Hudson on Unsplash

Global Coaching & Mentoring Alliance(GCMA)

業界として確立されてからまた数十年と比較的歴史が浅いコーチングの世界。

ちょっぴり大きな動きがあったのは2012年のことでした。この年は、それまでコーチングの分野でそれぞれリーダー的な存在であった以下の三つの団体が「Global Coaching & Mentoring Alliance」という共同体の発足を発表した年です。
2012年11月に発表されたGCMAの発足のプレスリリース "Partnership Leads to Creation of the Global Coaching & Mentoring Alliance -Three Coaching Organizations Team up to Advance Coaching" には「コーチング・メンタリング」という、成長期にある業界の発展に向けてもっと一緒にサポートし合うというトーンが伝わってきます。
"As a collective of global professional coaching and mentoring bodies we seek to build alliances, a cooperative spirit, purpose and initiatives where we can partner to make a difference to the emerging profession and society as a whole." -  PR Newswire 2012年11月 
ちなみに、GCMAはこれらの加盟団体以外による参加も将来的にはあり、と可能性を匂わせていますが2019年現時点ではこの三つのみ。

ちなみにGCMAのFAQ(よくある質問)のページにありましたが、イメージとしてはGCMAは複数の航空会社が参加している「Star Alliance」的な位置付けで、ICFは「ANA」という風に理解すると良いと思います。連携しているけれど、それぞれ色々とポイント・ルールはある、というように。

認定コーチ養成プログラム

一般的に、認定コーチと言われている人は大方この3つのどれかの団体が認定・指定しているコーチ養成トレーニングや必要基準を満たしていることを証明できたと認められている人を指すと理解しているのですが、ゴマンとある養成プログラムにどういうところがあるかもここに整理しておきます。

ちなみにICFにはTraining Program Search Service (TPSS)というプログラム提供者検索ページがあり、結構便利です。
アメリカニューヨーク州で検索したら、私の通っている Co-Active(元CTI)を含め50ものプログラム提供者がでてきました。 私の元同僚でイギリスにいる友人はTHIRDSPACEというところやNew Ventures West で認定を受けていました。
また、日本・日本語で検索すると19ほどの検索結果が。 (例:コーチ・エィ アカデミアNLP-JAPANラーニングセンターTCAコーチングカレッジ一般社団法人ジャパン・コーチ・ラーニング一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(略称 MiLI)ーちなみにCTIジャパンもあります)
 ICFは世界各都市にチャーター・チャプターというものが存在していて、ICF Japanのページからもプログラム提供者を一覧することが可能です。日本語で情報収集したいときは良い気がします。

それぞれの認定資格に存在する「ランク」

私の周囲で話題になっているICFの認定資格にはMCC、PCC、ACCと3ランクあり、ICF Japanのページに掲載されているそれぞれの資格をもつコーチの実名リストからも、MCCの難関ぶりは伝わってきます。

ICFは
  • アソシエイト認定コーチ Associate Certified Coach(ACC)
  • プロフェショナル認定コーチ Professional Certified Coach (PCC)
  • マスター認定コーチ Master Certified Coach(MCC)
EMCCは
  • ファウンデーション Foundation
  • プラクティショナー Practitioner
  • シニア・プラクティショナー Senior Practitioner
  • マスター・プラクティショナー Master Practitioner
ACでは
  • ファウンデーションコーチ Foundation Coach
  • コーチ Coach
  • プロフェショナルコーチ Professional Coach
  • マスターコーチ Master Coach
2015年時点のものですが、この3団体のそれぞれの認定資格の必要要綱がどう異なるかをまとめた資料はこちら。例えばICFの定めるPCCに必要なコーチング経験は500時間、一方でICFのMCCに必要なコーチング経験は2500時間、といったように一覧で見える化されています。

GCMAの定義するコーチング

最後に、そのメイン3団体が参加したGCMAのコーチングの定義を。

“Coaching and mentoring are activities within the area of professional and personal development with focus on individuals and teams and relying on the client’s own resources to help them to see and test alternative ways for improvement of competence, decision making and enhancement of quality of life.
Thus, a professional coach/mentor can be described as an expert in establishing a relationship with people in a series of conversations with the purpose of serving the clients to improve their performance or enhance their personal development or both, choosing their own goals and ways of doing it.

ポイントは答えを与えるコンサルタントでもなく、自分の体験を元にした助言を与えるアドバイザーでもなく、あくまでも相手の中(頭・心)からその人にあった「答え」や「道しるべ」を見出すプロセスを手伝うということ。

ちなみにソーシャルセクターの女性リーダー対象にした「Coaching Fellowship」たるものがあるのですがそこでの定義にこういうのもあって参考になりました。

https://www.tcfs.org/program/
https://www.tcfs.org/program/
"A coach is NOT the same as a mentor, consultant, or career counselor."

日本語で解説されていたのはこちら。
コンサルやアドバイザーモードで色々やってきた自分は、意識して引き出さないとなれないモードだったりします。

コーチングについてはまだまだ書きたいことがいっぱいですが、今回はこの辺で。

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