二種類の多様性と組織のイノベーティブさ

最近「重め」のエントリーが続いてしまったけれども、もっとサクッと発信したいものもあったりするので、これは軽めに。

一つ前の緒方貞子さんのエントリーで彼女の発言「隣の人は自分と同じと思わない方がいい」「異人は偉人」を載せたけれど、「多様性、diversity」に関しては留学前に「日本企業内のHuman Resource Managementに関する仕事(採用、育成、配置のサイクルの全体像を意識しなくてはいけないお仕事)」をしていたときから気になっていたテーマ。

最近結構気に入っているStanford Social Innovation Reviewで流れていた記事、「Looking for Innovation in All the Wrong Place - Who consistently drives innovation in corporate America?がこのテーマで面白いことを書いていた。タイトルがちょっと分かりにくいのだけれど、この記事ではCenter for Talent Innnovationという機関が発表した「イノベーションは『自分の経験や得意分野の外にある視点やアプローチ法の重要性を認識しているリーダーにマネージされている優秀で多様なチームの存在する組織』でこそ産まれている」という研究結果を取り上げている。

この研究結果自体はそこまでWoW!という内容ではないのだけれども、この機関によるDiversityの定義の仕方が興味深い。ここではDiversityは二種類ある、とされている。一つはInherent Diversity、もう一つはAcquired Diversity

日本の多くの企業でdiversityというとinherent diversityの中でもさらに狭義の「Gender」とか「Race/Ethnicity」を指すことが多いけれども、「SES」や「Disability」や「Sexual Orientation」ももちろん含めるべき、というのは良くいわれている話。自分にとっての「!」だったのはむしろacquired diversityだったほう。ここではacquired diversityを「How you act as a result of what you've experienced or learned」とある。記事では「海外経験の有無」や「ゲイの兄弟と育ったという経験」を事例にあげている。

具体的にこの記事で挙げられているAcquired Diversityのカテゴリーには:Cultural fluency, Generational savvy, Gender smarts, Technological literacy, Cross-functional knowledge, Global experience, Military experience, Language skillsが挙げられている。確かに社員のプロフィールを上記のinherent traitsのみならずacquired traitsでマッピングしてみて異なる組織間の多様性を比較してみるのはとても面白そう。

この記事ではこの両方の側面で本当に「diverse」である組織はそうでない会社に比べて新しい市場に向けてイノベーティブなmarketable ideaを産み出す/持っている可能性が高いのだそう。日本企業で誰かこの指標でランキングしてくれないかなぁ、面白うだと思いませんか?。

urbanplushproject.comの
diveristy: the art of thinking independently together"
Malcolm Forbesより

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